スケッチ材とは|鋼板で使われるスケッチ材の意味とは

2017年6月12日更新

金属部品は多様な形で自動車部品に使われますが、その多くは「鋼板」の状態から加工を行うことで部品となったり、あるいはそれら部品の一部となります。

金具などと呼ばれる金属部品の多くにはプレス加工が使われますが、この加工に用いる鋼板は、コイル材、スケッチ材、定尺材、異形材などがあり、それぞれ加工する部品の種類や保有している設備・機械の種類によって選ぶことになります。

スケッチ材というのは、大きめな部品や製品を作る際に使う板材で、寸法を指定して購入することができます。一般には、「切り板」(きりいた)と呼ばれることも多いです。実務上は、現場でもこの「切板」の呼び名が一般的かもしれません。

プレス加工での大量生産でメインに使われる鋼板の多くは、コイル材と呼ばれるもので、鋼板をトイレットペーパーのように丸めた状態のものが使われています。このコイル材は、プレス機にセットすると、そのまま材料が供給されていくため、生産効率が最もよい方法ですが、流通している材料の寸法には制限があり、製品によっては、対応できる寸法がないこともあります。また、プレス加工ではなるべく捨てる材料が少なくすむようなサイズの鋼板を用いることで原価を下げることができますので、安いものの大量生産しつつ廃棄する部位の多い材料を使うか、価格は上がるものの廃棄する部位が少ない材料を使うかのバランスを見ていく必要があります。

なお、英語ではSketch blank(スケッチブランク)と表記されます。

スポンサーリンク

>このページ「スケッチ材とは|鋼板で使われるスケッチ材の意味とは」の先頭へ

このサイトについて

当サイトの記事はすべて工業製品のメーカーの実務経験者が執筆しています。

砥石メーカーの製品や技術を紹介するサイトとしてはじまりましたが、加工技術・工具・研削・研磨に関わる情報から派生し、ユーザーの問い合わせに応じて鉄鋼、非鉄、貴金属、セラミックス、プラスチック、ゴム、繊維、木材、石材等製造に使用する材料・ワークの基礎知識についても掲載するようになりました。その後、技術情報に限らず、製造業で各分野の職種・仕事を進めるうえで役立つノウハウも提供しています。

製造、生産技術、設備技術、金型技術、試作、実験、製品開発、設計、環境管理、安全、品質管理、営業、貿易、経理、購買調達、資材、生産管理、在庫管理、物流など製造業に関わりのあるさまざまな仕事や調べものの一助になれば幸いです。

工業情報リンク集

工業分野のメーカーや商社を中心に、技術、規格、ものづくりに広く関わりのあるリンクを集めています。工業製品の生産に必要とされる加工技術や材料に関する知識、マーケティングから製品企画、開発、販売戦略、輸出入、物流、コスト低減、原価管理等、事業運営に必要な知識には共通項があります。

研磨、研削、砥石リンク集