定尺材とは|鋼板の定尺材の寸法、サイズの一覧
プレス加工による定尺材とは、市場で流通している鋼の標準板材のことで、サイズ・寸法には決まりがあります。サイズを指定して購入するスケッチ材や、ロール状態につながっているコイル材に比べると、一点ものや比較的サイズの小さな金属部品や製品に使われることが多いです。また、大量生産されるような部品の場合、コイル材のほうが圧倒的に効率がよいですが、生産する数量がそこまでないというような場合は、標準板材となる定尺材や、サイズ指定した切板であるスケッチ材を用いることになります。
流通性がよく手に入りやすくて価格の安い定尺材
定尺材をさらに細かく切ったものを短尺材(たんざくざい)と呼びますが、実際のプレス加工ではこの単位まで切断加工した鋼板が使われることが多いです。
ブランクの大きさにあわせて切断して使われる
プレスで打ち抜いた製品をブランクと呼びますが、このブランクの大きさにあわせて、廃棄する鋼材が少なくてすむよう、定尺材を切断していくという寸法です。
スケッチ材は切板とも呼ばれますが、こちらはサイズを指定している分、サイズの自由が利く反面、単価が上がりますが、定尺材は同じサイズのものが多数流通しているので(サイズによっては手に入りにくいものやほとんど使われないものもあります)、価格が安く抑えられると同時に手に入れるのも容易というメリットがあります。
定尺材の寸法、サイズの一覧
定尺材には独特の呼び名があり、寸法としては約915mm x 1830mmの鋼板を「さぶろく(3x6)材」と呼ぶ独特の商習慣があります。なお、この定尺材の呼び名とサイズ、寸法は下表のとおりです。
呼び名 | 表記 | 鋼板のサイズ | 鋼板の種類 |
---|---|---|---|
サブロク | 3 x 6 | 914mm x 1829mm | SPCC, SPHC, SECC, SGCC。 流通量多い。 |
サンパチ | 3 x 8 | 914mm x 2438mm | SPCC, SPHC, SECC, SGCC。 手に入りにくい。 |
シハチ | 4 x 8 | 1219mm x 2438mm | SUS, SPCC, SPHC, SECC, SGCC, アルミ板, 銅板, 真鍮板 |
ゴハチ | 5 x 8 | 1524mm x 2438mm | SPCC, SPHC, SECC, SGCC |
ゴトウ | 5 x 10 | 1524mm x 3048mm | SPCC, SPHC, SECC, SGCC |
ゴニジュウ | 5 x 20 | 1524mm x 6096mm | SPCC, SPHC, SECC, SGCC |
メーターバン | 1 x 2 | 1000mm x 2000mm | SUS, アルミ, 銅板 |
定尺材の厚み
市中に出ている定尺材は当然厚みにも規定があり、すべての厚さが揃っているわけではありません。設計などを行う際には、こうした厚さについても念頭におくとコスト面で実用的な製品となります。
以下、市中で比較的目にすることのある板厚と材質を一覧にまとめました。板の種類、大きさ、業界によっても使われる板材には違いがありますので、これ以外のものやここにあるものが入手困難なこともあるかもしれません。
板厚(mm) | 板の種類 |
---|---|
0.3 | SUS430, SUS304, C1100P, C2801P |
0.5 | A5052, SPCC, SGCC, SUS304, SUS430 |
0.8 | SPCC, SECC, SUS304, SUS430, C1100P |
1.0 | A5052, SPCC, SPHC, SECC, CP1100P, C2801P, SUS304, SUS430 |
1.2 | A5052, SPCC, SPHC, SECC, SUS304, SUS430 |
1.5 | A5052, SUS304, SUS430 |
1.6 | SPCC, SPHC, SEHC |
2.0 | SPCC, SEHC, SGCC, C1100P, C2801P, SUS304, SUS430 |
2.3 | SPCC, SEHC, C1100P, C2801P |
2.5 | A5052, SUS304, SUS430, C1100P, C2801P |
2.6 | SPCC, SEHC |
3.0 | SUS304, SUS430, A5052, C1100P |
3.2 | SPCC, SPHC, SEHC, SGCC |
4.0 | SUS304, A5052 |
5.0 | SUS304 |
6.0 | SUS304, SS400 |
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