STBA26の成分、材質、比重、機械的性質等|STBA鋼管の規格

2014年2月17日更新

STBA26はクロムモリブデン鋼で作られる継目無し鋼管のひとつで、ボイラー・熱交換器などの高温環境用のものとなります。同種のクロモリ管のなかではクロムとモリブデンの含有量が最も多くなります。これだけのクロム量でなければ耐食性を維持するのが難しいようなケースでの使用検討がなされることもあります。なお、このグレードの鋼管は、シームレス鋼管(継目なし鋼管)のみとなります。硬度については、ロックウェル硬さ(HRB)89以下です。

STBA26の比重

合金鋼を素材とする鋼管である為、比重も炭素鋼管よりも重く、7.85がベースとなります。

STBA26の成分、材質、組成について

STBA26の成分
STBA鋼管 C Si Mn P S Cr Mo
STBA26 0.15以下 0.25から1.00 0.30から0.60 0.030以下 0.030以下 8.00から10.00 0.90から1.10

STBA26の機械的性質

STBA26の引張強さ、降伏点、耐力、伸び
STBA鋼管 引張強さ
N/mm2
降伏点、耐力
N/mm2
伸び(%)
外径10ミリ未満 10ミリ以上20ミリ未満 20ミリ以上 全外径 全外径
11号試験片 11号試験片 11号試験片
12号試験片
4号試験片 14A号試験片
STBA26 410以上 205以上 22以上 25以上 30以上 24以上 21以上

STBA26の熱処理

規格では、等温焼きなまし、完全焼きなまし、焼きならし後焼戻しのいずれかとなっています。焼戻しの際の温度は650℃以上と規定されています。シームレス管のみのグレードです。

「JIS G 3462 ボイラ・熱交換器用合金鋼鋼管」に規定のある材料記号

スポンサーリンク

>このページ「STBA26の成分、材質、比重、機械的性質等|STBA鋼管の規格」の先頭へ

加工材料の性質と特徴(目次)へ戻る
ボイラ・熱交換器用合金鋼鋼管|STBA鋼管の特徴と種類

STBA26の成分、材質、比重、機械的性質等|STBA鋼管の規格の関連記事とリンク

STB鋼管|ボイラ・熱交換器用炭素鋼鋼管の種類と特徴
STB鋼管(ボイラー・熱交換器用炭素鋼鋼管)の重量
ボイラ及び圧力容器用炭素鋼及びモリブデン鋼鋼板(SB材、SB-M材)
クロムモリブデン鋼鋼材(SCM材)の用途、機械的性質、成分の一覧
機械構造用炭素鋼鋼管(STKM材)の規格と寸法公差、種類と比重について
自動車構造用電気抵抗溶接炭素鋼鋼管、STAM鋼管の種類と用途、特徴、規格
一般構造用炭素鋼鋼管(STK鋼管)の種類|規格、材質、寸法表
炭素鋼と合金鋼の違いと使い分け
軟鋼
金属の疲労強度、耐疲労性
金属の靱性、ねばり強さ(靭り強さ、粘り強さ)
冷間加工と熱間加工の違い
鉄鋼、鉄、炭素鋼、ステンレス、鋳鉄、超硬の熱膨張係数
金属の熱伝導率の一覧表
鉄鋼材料、鉄、炭素鋼、工具鋼の比重
鉄鋼、炭素鋼、鋳鉄、純鉄、ステンレスの熱伝導率
鉄鋼、鉄、炭素鋼、ステンレス、ハイスの比熱
鉄鋼、鉄、炭素鋼、ステンレスの電気抵抗
金属単体の比重、密度の一覧表
金属の融点、沸点の一覧表
金属の熱伝導率の一覧表
金属材料の硬度の一覧と比較
合金元素の果たす役割

このサイトについて

当サイトの記事はすべて工業製品のメーカーの実務経験者が執筆しています。

砥石メーカーの製品や技術を紹介するサイトとしてはじまりましたが、加工技術・工具・研削・研磨に関わる情報から派生し、ユーザーの問い合わせに応じて鉄鋼、非鉄、貴金属、セラミックス、プラスチック、ゴム、繊維、木材、石材等製造に使用する材料・ワークの基礎知識についても掲載するようになりました。その後、技術情報に限らず、製造業で各分野の職種・仕事を進めるうえで役立つノウハウも提供しています。

製造、生産技術、設備技術、金型技術、試作、実験、製品開発、設計、環境管理、安全、品質管理、営業、貿易、経理、購買調達、資材、生産管理、在庫管理、物流など製造業に関わりのあるさまざまな仕事や調べものの一助になれば幸いです。

工業情報リンク集

工業分野のメーカーや商社を中心に、技術、規格、ものづくりに広く関わりのあるリンクを集めています。工業製品の生産に必要とされる加工技術や材料に関する知識、マーケティングから製品企画、開発、販売戦略、輸出入、物流、コスト低減、原価管理等、事業運営に必要な知識には共通項があります。

研磨、研削、砥石リンク集