HSコードにおける部分品とは
HSコードの分類を探す際に頻繁に目にする「部分品」という用語があります。これはいったい何を意味するのでしょうか。
部分品とは、ある製品等の一部分であることを意味しており、部品と置き換えても意味は通じますが、「部品の部品」も含みます。あるいは、この「部品の部品」を作るために必須となる専用の部品があったとして、それらも含みます。
例えば、「自動車部品の部品」も、自動車の部分品ということになります。HSコードを分類する際、その製品を分解して素材のレベルにまで落とし込んだ場合、例えば鋼板であったり、プラスチックであったり、ゴムであったり、それぞれの素材のHSコードがありますが、これらを自動車部品をつくる上で途中の部分まで作ってある部品についても、その自動車部品にしか使うことができないようなものである場合、この「部分品」のカテゴリーに含まれることがある、ということになります。
自動車部品については、その多くは以下の8708項に分類されます。
- 87.08 部分品及び附属品(第87.01項から第87.05項までの自動車のものに限る。)
自動車でいうところの乗用車の多くは、8703項に分類されますが、8708項というのは、それに使われる部分品と附属品が対象となり、部分品は、完成品としての「自動車部品」に限定されないということになります。この場合に、部分品=完成品としての自動車部品と解釈してしまうと、間違った分類につながってしまいます。
さらに、HSコードの分類の際に注意を要するのは、HSコードの部分品として規定されているものは、親部品である「部品」と子部品となる「その部品の部品」のHSコードが変わらないものがあるという点です。上記の例でいえば、例えば、自動車と、自動車部品はHSコードが変わりますが、「ある自動車部品」と「その自動車部品の部品」のHSコードが変わらない、ということです。
これは、EPAやFTAをはじめとする経済連携協定を使った関税減免手続きを行う際の原産地証明書の取得に影響することがあります。例えば「ある自動車部品」を日本で最終的に加工しているものの、メインとなる「その自動車部品の部品」を海外工場で生産して日本へ輸入して完成品に仕上げているような場合、原産地の要件となる部材のHSコードが変わるほどの加工を行っていること、つまり日本製とするためには、輸入している「部品の部品」のHSコードと、日本で加工して完成品になる製品のHSコードが変わっている必要がある、ということになりますが、この条件を満たすことができなくなります。
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