HSコードは誰が決めるのか|HSコードの検索から調べ方まで
HSコードの決定を誰が行うかは、輸出と輸入で異なります。日本からヨーロッパへ輸出するケースを考えてみます。
まず、輸出者(メーカー、商社など)がヨーロッパにある顧客企業へ製品を送る場合、日本から製品を輸出するには、日本税関から輸出許可を得る必要があります。これに必要な輸出申告から許可を得るまでの流れを一般に「通関」と呼んでいますが、この輸出申告の段階で、まずは日本側の輸出用HSコードを物品に付与して申請する必要があります。
次に、無事通関が完了し、ヨーロッパへ物品が入る段階で、今度は輸入許可をヨーロッパの税関当局から得る必要があります。この際には、輸入申告を行うことになります。
このときにもHSコードを物品に付与して輸入申告を行う必要があります。これによって、物品が何であるのか、関税率がどれくらいなのか、規制品なのかどうか、統計分類等が判別できるようになります。
ヨーロッパでの輸入申告の際に付与されるHSコード(なお、ヨーロッパのうち、EU加盟国ではCNコードがHSコードのかわりに使われています)と、日本での輸出申告の際に付与されるHSコードとは、異なることがあります。厳密に言えば、HSコードの番号体系は、上6桁まではどの国でも共通ですが、それ以下の桁数は国によって異なりますので、日本でつけたHSコードと、ヨーロッパへ入るときのHSコードは違うものになります。
物品の貿易(国際間取引)においては、HSコードを決める主体は、このように輸出と輸入で異なります。
さらに具体的に見ていくと、輸出申告は通常、通関業者(輸送業者)が行うことになる為、その物品がどのようなものなのかを輸出者が通関業者に情報として伝え、それに基づいて通関業者が輸出時のHSコードを決定することになります。
輸入時も同様で、現地の通関業者があらかじめその物品が何であるのかという情報を、輸出者(通常は、日本側の輸送業者から現地側の輸入通関業者へ連絡が行きます)から現地輸入通関業者へ連絡が行き、輸入申告担当者が現地側のHSコードを付与します。
ただ、この場合でも輸出時においてHSコードを決定する権限を持つのは日本税関であり、輸入時においては現地税関が決定権を持ちますので、輸入申告した通りにならないこともあります。
また、HSコードが実際の物と違う、書類記載のものと違う場合、国によっては罰金や通関時のトラブルにつながることがあります。
例えばブラジルではHSコード(ブラジルではNCMコードの名称で知られています)の振り方が間違っていると、罰金となりますが、事前に輸入側に輸入申告の際に使う予定のHSコード(NCMコード)を確認の上、その番号を輸出書類(インボイス、パッキングリスト)にも記入しておく必要があります。
この場合でも、最終的に輸入側でのHSコードを決める権限を持っているのが、輸入側の税関なのですが、他国への輸出の場合、輸入側で用いられることになるHSコードには基本的には無関係なため、日本から出るとき、つまり輸出申告のときに用いるHSコードだけを調べて輸出すればよいということになります。
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