SCPH2の材質と成分、比重、機械的性質|高温高圧用鋳鋼品−炭素鋼鋳鋼品
SCPH2は、高温高圧用としてプラントなどでもバルブの材料としてよく使われる鋳物です。炭素鋼の鋳物ですが、高温高圧用のため、成分に関しては炭素鋼鋳鋼品よりも詳細な規定が設けられています。成分上、マンガン量が他の炭素鋼規格よりも多く設定されています。組成上、近いものとしてはS30Cがあります。
耐磨耗性に優れ、使用可能な温度帯域、圧力範囲の広い材料の一つです。
SCPH2の比重
比重については規定はありませんが、成分から概算を算出する場合は、下記の計算式があります。
鉄鋼材料の基本となる比重である7.876を基準に、含有している炭素量から概算を割り出す方法です。
- 比重=7.876−0.030×炭素(%)
基本的に、鋼材の成分はとりべ分析値になるため、実際の鋼材との間には多少の誤差やバラつきがでることもあります。
SCPH2の成分、材質
材料記号 | C | Si | Mn | P | S | Cr | Mo | V |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
SCPH2 | 0.30以下 | 0.60以下 | 1.00以下 | 0.040以下 | 0.040以下 | - | - | - |
成分上、SCPH2の不純物の上限値
材料記号 | Cu | Ni | Cr | Mo | W | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
SCPH2 | 0.50以下 | 0.50以下 | 0.25以下 | 0.25以下 | - | 1.00以下 |
SCPH2の機械的性質
材料記号 | 降伏点、耐力 N/mm2 |
引張強さ N/mm2 |
伸び % |
絞り % |
---|---|---|---|---|
SCPH2 | 245以上 | 480以上 | 19以上 | 35以上 |
「JIS G 5151 高温高圧用鋳鋼品」(1991年改訂)に規定のある材料記号
総じて高温高圧用の炭素鋼鋳鋼品の規格といって差し支えないですが、厳密には炭素鋼の中でも以下のようにクロモリ鋼に相当する鋳鋼品があります。
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