SNB7の強度区分、成分、機械的性質|JISにおける高温用合金鋼ボルト材の規格

2014年3月1日更新

SNB7は高温用合金鋼ボルト材の一つで、凡そ400℃程度までであれば、軟化等が起きず、機械的性質が大きく低下しないという特徴を持つクロムモリブデン鋼です。JISでは2種とも呼ばれ、海外規格の相当鋼としてはASTM規格のうちASTM A 193に規定されたB7(A193 grade B7相当)や、ヨーロッパ規格のBS EN、DIN EN、NF ENではクロモリ鋼である40CrMo4があります。AISI 4140、4142、4145に相当する鋼材でもあります。

焼戻し温度については595℃以上と設定されており、径は120mm以下を上限値とする規格材料です。硬度はHB255から321となります。

高温下では限度を超えると引張強度が低下していきます。氷点下でも用いることはできますが、材質がもろくなっていき衝撃に対する耐性が低下していくため、引張強度のみではなく、特定温度下におけるシャルピー衝撃値についても考慮の必要が出てきます。また、ボルト材が破断しなくとも、相手材や締結している部材が破断すれば同じことであり、相手側についてもよく調べる必要があります。

通常、一般のボルトやネジ類であれば耐熱性・耐寒性の保証がないため、こうした環境で用いる場合は、別途こうした保証がなされたものを使う必要があります。

SNB7の強度区分

ボルトの強度区分は、ボルト自体に付与されるものである為、材質がSNB7だからといって、必ずしも決まった強度区分となるわけではありません。鋼材は、成分だけでなく熱処理や加工方法によっても強度が変わるからです。

一般的には、高温用合金鋼ボルト材であるSNB7はクロモリ鋼でもあるため、強靭な部類になり、強度区分で言うところの9.8等に使われることがあります。

SNB7の成分、材質

SNB7の成分については、ボルト直径が90mmを超える場合、炭素量の上限を0.50%にまで引き上げることができます。

SNB7の成分、材質(単位:%)
ボルト材の種類 C Si Mn P S Cr Mo V
SNB7 0.38から0.48 0.20から0.35 0.75から1.00 0.040以下 0.040以下 0.80から1.10 0.15から0.25

SNB7の機械的性質|耐力、降伏点、引張強さ、伸び、絞り

SNB7の機械的性質|耐力、降伏点、引張強さ、伸び、絞り
ボルト材の記号
(mm)
耐力
(N/mm2
引張強さ
(N/mm2
伸び
(%)
絞り
(%)
SNB7 63mm以下 725以上 860以上 16以上 50以上
63mmを超え100mm以下 655以上 800以上 16以上 50以上
100mmを超え120mm以下 520以上 690以上 18以上 50以上

「JIS G 4107 高温用合金鋼ボルト材」に規定のある材料記号

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高温用合金鋼ボルト材の規格

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