インボイスにおける重量の書き方
インボイスには重量の記載は必須ではないのですが、書き方としては下記の要領となります。重量の単位はkgで統一し(よほど軽いものはg。郵便や書類以外等を除くと輸送費等すべてkgで計算されるので)、誤差はなるべくなくすようにし最大でも±5%以内になるようにします。これは改正SOLAS条約で計量機器の誤差が±5%以内のものを使うとの規定があるためです。もともとインボイス自体は輸出や輸入する製品の価格を明示する目的をもつ書類の為(輸出や輸入申告の価格計算に使ったり、買い手への請求書も兼ねていたりする為)、単価と個数は必要であっても、重量やその梱包単位については記載がなくても問題ない書類です。
- インボイスにおける重量の書き方|目次
インボイスの目的は請求と申告
インボイスは価格(単価×個数)を明確にする意図があるため、製品1種類につき1行を使って記載することが一般的です。1箱あたりの重量の記載が難しいという事情もあります。
請求書をイメージするとわかりやすいですが、1回の取引で納入も同時期に行っている同製品の請求をする際、その製品が入っている箱が違うからという理由で箱ごとに複数行に分けて記載しないのと同じ理屈です。
例えば、その取引(貿易)で同じ製品が1000個あった場合は、その製品名のものが1000個あることをインボイスに1行で記載しますが、箱数や箱当たりの重量を記載して総重量を明示しようとすると、同じ製品名で単価が同じものが複数行にまたがってしまいます。
また、どのように同じ製品が同じ箱やパレットに入っているとも限りません。むしろ、パレットに至っては複数の異なる製品の箱が入っていることはよくありますが、製品の着荷確認や棚入れを行ったり、パレットをばらして製品ごとに発送するという場合、どのパレットに何が入っているかという情報が作業効率や正確性に大きく影響します。
こうしたことから重量や荷姿に関する情報はパッキングリスト(Packing list、梱包明細)のほうに記載することが一般的であり、また輸送業者や物流関係者含め、誤解なく理解されやすいという特徴があります。また、インボイスは製品の売買単価が記載されるので当事者以外にも売買の内容がわかってしまう書類ですが、パッキングリストのほうは単価は記載しないので、重量や荷姿だけが記載されており、特に外部漏れることでただちに問題になることが少なく、物流関係者でも扱いやすいという特徴もあります。
インボイスに重量を記載するケース
インボイスに重量を記載するというのは、パッキングリストと兼ねているような場合です。つまり、パッキングリストがなく、インボイス1通のみの発行というような場合で、郵便物等の簡易的なものを想定しています。
この場合、製品の個数を示す横に欄を作っておき、ネット重量とグロス重量が分かるようにしておくと便利です。
下記にインボイスの製品名と単価を記載する欄に正味重量を記載するNet weightの欄と、総重量のgross weightの欄を作った例を掲載します。
薄黄色で塗った部分が、重量にかかわる欄で通常インボイスへの記載はせず、パッキングリストに記載する部分となります。この例ではNumber of piecesの欄を最下部に設けて、合計何袋か明記しています。段ボール箱ならここを1250 cartonsのように記載します。インボイスの製品種1個が1つの包装単位になっていないのであれば、ここはQuantityの合計とは異なり、包装単位の合計数になります。1250個の製品が100箱に入っているのであれば、Number of piecesは100 cartonsと記載します。
個々の製品名の横に正味重量となるネット重量を記載し、その合計が75 kgとなっており、下部のgross weightの部分が90 kgになっているので、その重量差である15 kgが梱包資材(箱や荷材、パレットなど)の重さということになります。
インボイスの製品欄で重要となるのは、通常は次の部分です。この例では記載していませんが、Country of originの欄を設けて原産国がどこかも記載します。
インボイス記載項目 | 意味・内容 |
---|---|
Quantity | 数量 |
Unit price | 単価(1個あたりの価格) |
Currency | 金額表示に使用している通貨。 |
Amount | 製品種別ごとの合計金額を記載。Quantity×Unit priceで計算される値です。 |
合計と貿易条件 | この例では FOB NAGOYA 19,500 USDの部分です。インボイスの価格は必ずFOBなのかCIFなのかといった貿易条件とセットで記載します。これによって輸入時に支払う税金が変わるからです。 |
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