ゴムの耐熱温度

2013年3月2日更新

ゴムは熱硬化性(熱によって硬くなるタイプ)の材料ですが、限界温度を超えると軟化したり、機械的性質が大きく低下し、変形したり、周囲に粘着するなどして、実際の使用上不都合が出てきます。工業材料の中では耐熱性に優れた材料でありませんが、ゴムの中にはこの点を改良したタイプも存在します。

フッ素ゴムやシリコーンゴムのように、ゴムの種類によっては耐熱性に優れたものもあるため、使用環境をよく考慮し、最高温度、最低温度、耐薬品性、耐オゾン性、耐候性、耐摩擦性など総合的に見ていくことが求められます。

配合や添加材料によっても、ある程度はこうしたゴムの弱点を補うことが可能です。

ゴムの耐熱温度の一覧

ゴムの耐熱性、耐熱温度の一覧表
ゴムの種類 ゴム記号 耐熱温度(高温使用限界)℃
天然ゴム NR 120
イソプレンゴム IR 120
スチレンブタジエンゴム SBR 120
ブタジエンゴム BR 120
クロロプレンゴム CR 130
ブチルゴム IIR 150
エチレンプロピレンゴム EPM、EPDM 150
エチレン酢酸ビニル共重合体 EAM 200
クロロスルホン化ポリエチレン CSM 150
塩素化ポリエチレン CM 160
エピクロロヒドリンゴム CO、ECO 170
二トリルブタジエンゴム NBR 130
二トリルイソプレンゴム NIR 130
アクリルゴム ACM、ANM 180
ウレタンゴム U 80
多硫化ゴム T 80
シリコーンゴム Q 280
フッ素ゴム FKM 300

ゴムの種類の一覧

スポンサーリンク

>このページ「ゴムの耐熱温度」の先頭へ

加工材料の性質と特徴(目次)へ戻る
「ゴムの種類と特性、物性について」へ戻る

ゴムの耐熱温度の関連記事とリンク

ゴムの記号と略号の一覧
ゴムの硬度の一覧
ゴムのSP値の一覧
ゴムの比重
ゴムの耐寒性と耐寒温度の限界
ゴムの耐候性と耐オゾン性
ゴムの加硫とは
ゴムの摩擦係数
ゴムの耐磨耗性

このサイトについて

当サイトの記事はすべて工業製品のメーカーの実務経験者が執筆しています。

砥石メーカーの製品や技術を紹介するサイトとしてはじまりましたが、加工技術・工具・研削・研磨に関わる情報から派生し、ユーザーの問い合わせに応じて鉄鋼、非鉄、貴金属、セラミックス、プラスチック、ゴム、繊維、木材、石材等製造に使用する材料・ワークの基礎知識についても掲載するようになりました。その後、技術情報に限らず、製造業で各分野の職種・仕事を進めるうえで役立つノウハウも提供しています。

製造、生産技術、設備技術、金型技術、試作、実験、製品開発、設計、環境管理、安全、品質管理、営業、貿易、経理、購買調達、資材、生産管理、在庫管理、物流など製造業に関わりのあるさまざまな仕事や調べものの一助になれば幸いです。

工業情報リンク集

工業分野のメーカーや商社を中心に、技術、規格、ものづくりに広く関わりのあるリンクを集めています。工業製品の生産に必要とされる加工技術や材料に関する知識、マーケティングから製品企画、開発、販売戦略、輸出入、物流、コスト低減、原価管理等、事業運営に必要な知識には共通項があります。

研磨、研削、砥石リンク集