ゴムの耐候性と耐オゾン性
ゴム製品、ゴム材料は、大気中で空気に触れる環境で使うことが一般的であり、室内・室外を問わず、多くの部位に使われています。
こうした場合、材料には耐候性、耐光性、耐オゾン性が求められることになります。
耐候性の優れたポリマー(EPDM、CR、CSMなど)の選択と、耐候性付与剤(ワックスや各種安定剤類)の添加がポイントとなります。
耐オゾン性は主にゴムの分子構造によって決まります。NR、SBRのように不飽和構造をしているゴムは耐オゾン性に弱く、EPDMやCSMなどは強くなります。
一般に、耐オゾン性を付与するためにワックスを添加したり、耐オゾン性付与剤が添加されます。また、これらはオゾン濃度、伸長率、温度などの条件によっても左右される点に留意が必要です。
ゴムの耐候性
ゴムの種類 | 耐光性 | 耐オゾン性 |
---|---|---|
NR(天然ゴム) | △ | △ |
IR(イソプレンゴム) | △ | △ |
BR(ブタジエンゴム) | △ | △ |
SBR(スチレンブタジエンゴム) | △ | △ |
EPM、EPDM(エチレンプロピレンゴム) | ◎ | ◎ |
CSM(クロロスルホン化ポリエチレン) | ◎ | ◎ |
IIR(ブチルゴム) | ◎ | ○ |
CR(クロロプレンゴム) | ○ | ○ |
NBR(二トリルブタジエンゴム) | △ | △ |
OT、EOT | △ | ○ |
ANM | ◎ | ◎ |
Q(シリコーンゴム) | ◎ | ◎ |
FFKM、FKM(フッ素ゴム) | ◎ | ◎ |
CHR、CHC | ◎ | ◎ |
AU(ポリエステルウレタン)、EU(ポリエーテルウレタン) | ○ | ◎ |
ゴムの耐オゾン性
ゴム材料の種類 | 耐オゾン性 |
---|---|
NR SBR BR IR NBR |
耐オゾン性に乏しい。オゾンの影響を直に受け、亀裂ができてしまう |
CR IIR |
耐オゾン性は良好で、オゾンの照射にもある程度は耐えることができる抵抗力を持つ。ただし、一定レベルを超えると亀裂ができる |
CSM T ACM Q FKM U CM EPDM EPM EAM CO ECO GPO |
耐オゾン性が優秀な材料で、オゾン照射を受けても亀裂ができる可能性がほとんどない。高温や高伸長、動的屈曲などの使用環境によってはオゾンの影響を跳ね返せず、亀裂ができることあり |
ゴムの種類一覧
- 天然ゴム(NR)
- イソプレンゴム(IR)
- スチレンブタジエンゴム(SBR)
- ブタジエンゴム(BR)
- クロロプレンゴム(CR)
- ブチルゴム(IIR)
- ニトリルゴム(NBR)
- エチレン・プロピレンゴム(EPM、EPDM)
- クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)
- アクリルゴム(ACM)
- ウレタンゴム(U)
- シリコーンゴム(VMQ、PVMQ、FVMQ)
- フッ素ゴム(FKM)
- 多硫化ゴム(T)
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