低温高圧用鋳鋼品｜SCPL材の特性、温度、成分、材質、比重、機械的性質の規格
SCPLではじまる4種の鉄鋼材料は、低温高圧用として規定された鋳物の材料の規格で、低温というのは常温を想定しているのではなく、零下を想定したものです。金属にとって極低温環境は、組織を脆く（もろく）してしまう環境となり、多くの金属材料はこうした環境では常温よりも破壊強度が著しく低下します。
強度は高温下でも低下しますが（温度にもよりますが）、低下の度合い、劣化の度合いは極低温の場合のほうが深刻な影響を及ぼします。多少の高温では、衝撃や圧力をつけても破断、破裂しない材料であっても、低温環境では本来耐えられる衝撃や圧力でも破壊される危険性が伴います。
鉄鋼材料の一つの弱点として、この低温環境での劣化、強度低下である「低温脆性」が上げられますが、この規格ではこうした弱点を補う材料を規定しています。ただ、金属材料の中でもバルブや配管材として使われる銅合金には低温脆性がありませんので、あらかじめ低温環境で使われることが分かっている場合は、こちらも検討候補となるでしょう。
規格内容としては、−４５℃、−６０℃、−７５℃、−１００℃といった低温の状況でのシャルピー衝撃値が規定されているなど、低温脆性の度合いや低温での強度、靭性を見るためのパラメータが規格化されています。
また、強度面にも影響する為、不純物の上限値も定められています。
「JIS G 5152 低温高圧用鋳鋼品」に規定のある材料記号
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