SLA325Aの成分、比重、材質、機械的性質、溶接性|JIS規格による低温圧力容器用炭素鋼鋼板

2014年8月19日更新

SLA325Aの特徴

SLA325Aは、降伏点を325MPa以上に持つ低温用の圧力容器鋼板のひとつです。規定されている最低温度の限界は−45℃となります。圧力容器用であるため、溶接性をみる指標である炭素当量と溶接割れ感受性組成の値が定められており、圧力がかかることにより溶接箇所からの破損等に備えた規格になっています。伸びの値は板厚により3パターンの数値となります。

SLA325Aの成分、材質

SLA325Aの成分
鋼板の種類 C(炭素) Si(ケイ素) Mn(マンガン) P(リン) S(硫黄)
SLA325A 0.16以下 0.55以下 0.80から1.60 0.025以下 0.020以下

SLA325Aの比重

低温圧力容器用炭素鋼鋼板の質量については、熱間圧延鋼板の規格で規定されているものが適用されます。他の鋼板と同様、7.85(厚さ1mm、面積1m2の質量)が標準となりますが、比重は成分比によっても変わります。

SLA325Aの機械的性質|耐力、降伏点、引張強さ、伸び、曲げ性

SLA325Aの耐力、降伏点、引張強さ、伸び、曲げ性
鋼板の種類 降伏点、耐力(N/mm2 引張強さ(N/mm2 伸び 曲げ性
厚さ(mm) 試験片 曲げ角度 内側半径 試験片
SLA325A 325以上 440から560 6以上16以下
16を超えるもの
20を超えるもの
5号
5号
4号
22以上
30以上
22以上
180° 厚さの1.5倍 1号、圧延方向に直角

SLA325Aのシャルピー吸収エネルギー|衝撃試験温度

SLA325Aのシャルピー吸収エネルギーの下限値
板厚 衝撃試験温度 シャルピー吸収エネルギーの下限値 試験片と試験片の採取方向
6ミリ以上8.5ミリ未満 8.5ミリ以上12ミリ以下 12ミリを超え20ミリ以下 20ミリを超えるもの
SLA325A -40℃ -30℃ -25℃ -35℃ 最高吸収エネルギー値(三個の試験片の脆性破面率がいずれも0%となる温度での吸収エネルギーの平均値。通常は常温)の2分の1 Vノッチ圧延方向

SLA325Aの溶接性|炭素当量、溶接割れ感受性組成

炭素当量は0.38以下、溶接割れ感受性組成は0.23以下となります。

溶接性を見るため炭素当量、溶接割れ感受性組成の計算式はそれぞれ以下の式の通りで、これらに成分値をあてはめることで計算できます。

炭素当量(Ceq)

炭素当量

溶接割れ感受性組成(PCM)

溶接割れ感受性組成

「JIS G 3126 低温圧力容器用炭素鋼鋼板」に規定のある材料記号

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