SLA325Bの成分、比重、材質、機械的性質、溶接性|JIS規格による低温圧力容器用炭素鋼鋼板
SLA325Bの特徴
SLA325Bは圧力容器用の鋼板のうち、低温用に設計された規格材料です。SLA325Aもありますが、こちらのBはより使用可能な温度が低くなっており、−60℃となります。数字の325は耐力が325MPa以上であることを示しています。炭素量は0.16%以上の軟鋼となるため、一定の伸びのパラメータも確保されています。引張強度も440から560MPaとなっており、降伏点の差があるため、破断までの間に変形することが予測されます。
SLA325Bの成分、材質
鋼板の種類 | C(炭素) | Si(ケイ素) | Mn(マンガン) | P(リン) | S(硫黄) |
---|---|---|---|---|---|
SLA325B | 0.16以下 | 0.55以下 | 0.80から1.60 | 0.025以下 | 0.020以下 |
SLA325Bの比重
低温圧力容器用炭素鋼鋼板の質量については、熱間圧延鋼板の規格で規定されているものが適用されます。他の鋼板と同様、7.85(厚さ1mm、面積1m2の質量)が標準となりますが、比重は成分比によっても変わります。
SLA325Bの機械的性質|耐力、降伏点、引張強さ、伸び、曲げ性
鋼板の種類 | 降伏点、耐力(N/mm2) | 引張強さ(N/mm2) | 伸び | 曲げ性 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
厚さ(mm) | 試験片 | % | 曲げ角度 | 内側半径 | 試験片 | |||
SLA325B | 325以上 | 440から560 | 6以上16以下 16を超えるもの 20を超えるもの |
5号 5号 4号 |
22以上 30以上 22以上 |
180° | 厚さの1.5倍 | 1号、圧延方向に直角 |
SLA325Bのシャルピー吸収エネルギー|衝撃試験温度
板厚 | 衝撃試験温度 | シャルピー吸収エネルギーの下限値 | 試験片と試験片の採取方向 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
6ミリ以上8.5ミリ未満 | 8.5ミリ以上12ミリ以下 | 12ミリを超え20ミリ以下 | 20ミリを超えるもの | |||
SLA325B | -60℃ | -50℃ | -45℃ | -55℃ | 最高吸収エネルギー値(三個の試験片の脆性破面率がいずれも0%となる温度での吸収エネルギーの平均値。通常は常温)の2分の1 | Vノッチ圧延方向 |
SLA325Bの溶接性|炭素当量、溶接割れ感受性組成
炭素当量は0.38以下、溶接割れ感受性組成は0.23以下となります。
溶接性を見るため炭素当量、溶接割れ感受性組成の計算式はそれぞれ以下の式の通りで、これらに成分値をあてはめることで計算できます。
炭素当量(Ceq)
溶接割れ感受性組成(PCM)
「JIS G 3126 低温圧力容器用炭素鋼鋼板」に規定のある材料記号
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