STKR400の規格|JISにおける角形鋼管の成分、材質、引張強さ、機械的性質について
STKR400は角形鋼管の規格材料の一つで、建築や建造物などの構造物用途を想定した材料です。角形とはいえ、角は丸みを帯びており、中は空洞の中空構造になっています。
寸法、サイズについては鋼管を構成する厚みと、角のそれぞれの辺の長さ、それらの寸法公差が規定されています。成分上はC量0.25%以下の低炭素鋼となり、不純物としてリンと硫黄のみが規定されています。機械的性質としては、引張強さだけでなく、構造用途を謳っているため、耐力、降伏点の設定があります。
欧州規格のEN(BS EN、DIN EN、NF EN)では、S275JRがこれに相当する角形鋼管の材料となります。
STKR400の成分、材質
角形鋼管の種類 | C | Si | Mn | P | S |
---|---|---|---|---|---|
STKR400 | 0.25以下 | - | - | 0.040以下 | 0.040以下 |
STKR400の機械的性質|引張強さ、降伏点、耐力など
角形鋼管の種類 | 引張強さ N/mm2 |
降伏点、耐力 N/mm2 |
伸び(%) 5号試験片 |
---|---|---|---|
STKR400 | 400以上 | 245以上 | 23以上 |
STKR400の伸び
角形鋼管の厚さの違いによる最小伸びは下表となります。
角形鋼管の種類 | 試験片 | 厚さ区分 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1mm以下 | 1mmを超え2mm以下 | 2mmを超え3mm以下 | 3mmを超え4mm以下 | 4mmを超え5mm以下 | 5mmを超え6mm以下 | 6mmを超え7mm以下 | 7mmを超え8mm未満 | ||
STKR400 | 5号試験片 | 12 | 14 | 16 | 17 | 18 | 20 | 22 | 23 |
STKR400の寸法、重量
断面図が正方形のものと長方形のものがあり、STKR400の重量についてはこちらの表に寸法ごとに定めがあります。
「JIS G 3466 一般構造用角形鋼管」に規定のある材料記号
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