STKR490の規格|JISにおける角形鋼管の成分、材質、引張強さ、機械的性質について
STKR490は角形鋼管の一つで、正式には一般構造用角形鋼管のなかに規定されている材料記号となります。このSTKRシリーズには2種類しかなく、そのうちの一つがこちらで、より引張強度に優れている鋼材となります。数字の490が最小の引張強度をMPaで表した値となります。ただし、炭素量はこちらが0.18%以下となるため、STKR400よりもさらに低炭素となります。成分規定にシリコンとマンガン量が設定されている点も異なります。
欧州規格のEN(BS EN、DIN EN、NF EN)では、S355J0がこれに相当する角形鋼管の材料となります。ただし、鋼材の厚みは3mm以上16mm以下です。
STKR490の成分、材質
角形鋼管の種類 | C | Si | Mn | P | S |
---|---|---|---|---|---|
STKR490 | 0.18以下 | 0.55以下 | 1.50以下 | 0.040以下 | 0.040以下 |
STKR490の機械的性質|引張強さ、降伏点、耐力など
角形鋼管の種類 | 引張強さ N/mm2 |
降伏点、耐力 N/mm2 |
伸び(%) 5号試験片 |
---|---|---|---|
STKR490 | 490以上 | 325以上 | 23以上 |
STKR490の伸び
角形鋼管の厚さの違いによる最小伸びは下表となります。
角形鋼管の種類 | 試験片 | 厚さ区分 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1mm以下 | 1mmを超え2mm以下 | 2mmを超え3mm以下 | 3mmを超え4mm以下 | 4mmを超え5mm以下 | 5mmを超え6mm以下 | 6mmを超え7mm以下 | 7mmを超え8mm未満 | ||
STKR490 | 5号試験片 | 12 | 14 | 16 | 17 | 18 | 20 | 22 | 23 |
STKR490の寸法、重量
比重(密度)を7.35として計算したSTKR490の重量については、こちらに正方形、長方形それぞれの鋼管について一覧表があります。
「JIS G 3466 一般構造用角形鋼管」に規定のある材料記号
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