SUH3(耐熱鋼)の成分、硬度、機械的性質
SUH3はマルテンサイト系耐熱鋼の一つで、モリブデンを成分に含有するタイプです。用途としては、高級吸気弁、低級排気弁、魚雷、ロケット部品、予燃焼室などがあります。
SUH3の比重、密度
耐熱鋼には比重や密度に関する規定は4種類(SUH309、SUH310、SUH409、SUH409L)を除いてなく、基準となる比重(密度)は7.8前後となりますが、基本的には需要家とメーカーとの間で取り決めてよいことになっています。
SUH3の成分
耐熱鋼の種類・記号 | C | Si | Mn | P | S | Ni | Cr | Mo | W | V | N | Nb |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
SUH3 | 0.35から0.45 | 1.80から2.50 | 0.60以下 | 0.030以下 | 0.030以下 | - | 10.00から12.00 | 0.70から1.30 | - | - | - | - |
SUH3の機械的性質|熱処理、硬度、引張強さ、耐力、伸び
耐熱鋼の種類 | 耐力(N/mm2) | 引張強さ(N/mm2) | 伸び(%) | 絞り(%) | シャルピー衝撃値(J/cm2) | 硬さ(HBW) | 焼きなまし状態の硬さ(HBW) | 適用寸法(mm)、径、対辺距離または厚さ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
SUH3 | 685以上 | 930以上 | 15以上 | 35以上 | 20以上 | 269以上 | 269以下 | 25以下 |
635以上 | 880以上 | 15以上 | 35以上 | 20以上 | 262以上 | 269以下 | 25を超え75以下 |
耐熱鋼の材料記号の一覧
棒材(バー)しかないタイプ、板材しかないタイプ、双方にあるタイプがそれぞれ規格に規定されています。
オーステナイト系の耐熱鋼
- SUH31(耐熱鋼棒)
- SUH35(耐熱鋼棒)
- SUH36(耐熱鋼棒)
- SUH37(耐熱鋼棒)
- SUH38(耐熱鋼棒)
- SUH309(耐熱鋼棒、耐熱鋼板)
- SUH310(耐熱鋼棒、耐熱鋼板)
- SUH330(耐熱鋼棒、耐熱鋼板)
- SUH660(耐熱鋼棒、耐熱鋼板)
- SUH661(耐熱鋼棒、耐熱鋼板)
フェライト系の耐熱鋼
マルテンサイト系の耐熱鋼
スポンサーリンク
>このページ「SUH3(耐熱鋼)の成分、硬度、機械的性質」の先頭へ
- 加工材料の性質と特徴(目次)へ戻る
- 耐熱鋼、SUHの種類と用途、成分、耐熱温度など
- 鉄鋼、鉄、炭素鋼、ステンレス、鋳鉄、超硬の熱膨張係数
- 金属の熱伝導率の一覧表
- 鉄鋼材料、鉄、炭素鋼、工具鋼の比重
- 鉄鋼、炭素鋼、鋳鉄、純鉄、ステンレスの熱伝導率
- 鉄鋼、鉄、炭素鋼、ステンレス、ハイスの比熱
- 鉄鋼、鉄、炭素鋼、ステンレスの電気抵抗
- 金属単体の比重、密度の一覧表
- 金属の融点、沸点の一覧表
- 金属の熱伝導率の一覧表
- 金属材料の硬度の一覧と比較
- 鉄鋼材料の種類
- 炭素鋼と合金鋼の違いと使い分け
- 合金元素の果たす役割
- 鉄鋼、炭素鋼、合金鋼の焼入れ深さ
- 焼入れ性とは