SUH616(耐熱鋼)の成分、硬度、機械的性質

2013年3月20日更新

SUH616はマルテンサイト系の耐熱鋼で、もっとも高い耐力をもつ鋼種です。また硬度についても耐熱鋼の中では最も硬いものです。引張強さはSUH1やSUH3などの耐熱鋼のほうが若干高くなりますが、オーステナイト、フェライト系よりも高い水準の強さを持ちます。用途としては、高温構造部品、蒸気タービン、ブレード、ディスク、ロータシャフト、ボルトなどがあります。

SUH616の比重、密度

耐熱鋼には比重や密度に関する規定は4種類(SUH309、SUH310、SUH409、SUH409L)を除いてなく、基準となる比重(密度)は7.8前後となりますが、基本的には需要家とメーカーとの間で取り決めてよいことになっています。

SUH616の成分

SUH616の成分
耐熱鋼の種類・記号 C Si Mn P S Ni Cr Mo W V N Nb
SUH616 0.20から0.25 0.50以下 0.50から1.00 0.040以下 0.030以下 0.50から1.00 11.00から13.00 0.75から1.25 0.75から1.25 0.20から0.30 - -

SUH616の機械的性質|熱処理、硬度、引張強さ、耐力、伸び

SUH616の機械的性質
耐熱鋼の種類 耐力(N/mm2) 引張強さ(N/mm2) 伸び(%) 絞り(%) シャルピー衝撃値(J/cm2) 硬さ(HBW) 焼きなまし状態の硬さ(HBW) 適用寸法(mm)、径、対辺距離または厚さ
SUH616 735以上 880以上 10以上 25以上 - 341以下 269以下 75以下

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