集荷と出荷の違い

2022年5月2日更新

集荷とは出荷のために荷物を取りに行くことやその場所を意味し、出荷とは集荷した品物を実際に行先に向けて出荷することやその場所を意味するという違いがあります。この二つは表裏一体の関係にあり、集荷時間は出荷時間から逆算して設定されています。企業によっては集荷と出荷の用語を使い分けないこともありますので、どのような意味で使われているのか文脈から判断するしかありません。

工場は生産設備に場所を使いたい

工場の場合、生産した製品を置いておくスペースにも限りがあることから集荷と出荷に使うスペースを最小限にして、作ったものはなるべく早くデポや倉庫へ動かすというルールでまわしているところが多いかもしれません。

というのも、工場のスペースというのは計算すると1平米あたりでいくらの生産金額をはじき出せるので、少しのスペースでも「生産」に使う場所として活用したいという考え方が底流にはあります。

集荷や出荷に使う置き場をいくつも作ったり、広い面積をとってしまえば、そこに生産設備をもう1台置けるかもしれない機会を奪ってしまうことにもなりかねません。

必要最小限にして工場内の動線を効率的にしつつ、在庫がたまらずにうまく流していけるように構築していく必要があります。

集荷場所と出荷場所を工場で分ける場合

出荷と集荷で場所を分ける場合
出荷場と集荷場の違い
集荷場 注文品を1便分集荷・荷揃えする場所。集荷完了時間がある。工場の場合、ここでラベルや現品票、納品書等の伝票類も揃えて添付していることが多い。
出荷場 便ごとにそろえた物をトラックに載せる場所。出発時間がある。集荷場から出荷場に運んでくる。ここに入ったものは箱にはもう触らずに、トラックに積み込んだら指定の倉庫なり客先なりに運ばれていくだけの状態になっている。

なお、出荷頻度の多い業界や業種では工場の生産に携わる人員と、集荷場から出荷場へ運ぶ人員は分けていることが多いです。この場合、工場側では集荷場へ指定時間までに運ぶまでが責任範囲となり、そこから先は物流関係の部署や出荷係が引き継ぎ、責任をもって出荷まで運んでいくということになります。

 

この手の線引きを行っている組織は、集荷場にあるものを工場の人員以外が触ってはいけない、出荷係のメンバーは製品には触らないというルールを設けていることもあります。

難しいのは出荷時に箱の中身の個数が正数になっていない端数品の管理です。例えば1箱20個入りのものでも、客先からの注文によって1箱だけ15個入りという場合、箱の数を目視でカウントするだけでは注文と現物の照合にならないので、バーコードリーダーによる照合で出荷確認を行う必要があります。

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