SPV235の成分、材質、比重、引張強さ、降伏点などのJIS規格|工業材料として見たSPV鋼材
SPV235は圧力容器用鋼板として規定されたJIS規格の材料記号の一つで、数字の235は常温での降伏点の最低値を示しています。基本的には圧延したままの状態のSPV鋼材となります。規定により、場合によっては焼きならしを行うこともできます。6種類あるSPV材のうち、このSPV235だけが厚さ100ミリを境界に、炭素量の基準が0.18以下と0.20以下に分かれます。また6種の中ではマンガン量が最も少ないグレードとなります。板厚範囲は6mm以上200mm以下となります。
このグレードについては炭素当量や溶接割れ感受性組成についての規定がありません。
SPV235の比重
比重については熱延鋼板と同様の7.85がベースとなりますが、構成成分によって厳密には変わってきます。
SPV235の成分、材質
SPV材の種類 | C | Si | Mn | P | S |
---|---|---|---|---|---|
SPV235 | 0.18以下 | 0.35以下 | 1.40以下 | 0.030以下 | 0.030以下 |
SPV材の種類 | C | Si | Mn | P | S |
---|---|---|---|---|---|
SPV235 | 0.20以下 | 0.35以下 | 1.40以下 | 0.030以下 | 0.030以下 |
SPV235の機械的性質
SPV鋼材の種類 | 降伏点、耐力(N/mm2) | 引張強さ (N/mm2) |
伸び | 曲げ性 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
厚さ6ミリ以上50ミリ以下 | 50ミリを超え100ミリ以下 | 100ミリを超え200ミリ以下 | 厚さ(ミリ) | 試験片 | % | 曲げ角度 | 内径半径 | 試験片 | ||
SPV235 | 235以上 | 215以上 | 195以上 | 400から510 | 16以下 | 1A号 | 17以上 | 180° | 厚さ50ミリ以下の場合は厚さの1.0倍、厚さ50ミリを超える場合は厚さの1.5倍 | 1号 |
16を超えるもの | 1A号 | 21以上 | ||||||||
40を超えるもの | 4号 | 24以上 |
SPV235のシャルピー吸収エネルギー
低温にし、耐衝撃性を見るための指標となります。試験片はVノッチ、圧延方向のものになります。
SPV鋼材の種類 | 試験温度(℃) | シャルピー吸収エネルギー | |
---|---|---|---|
3個の試験片の平均値 | 個々の試験片の値 | ||
SPV235 | 0℃ | 47以上 | 27以上 |
「JIS G 3115 圧力容器用鋼板」に規定のある材料記号
スポンサーリンク
>このページ「SPV235の成分、材質、比重、引張強さ、降伏点などのJIS規格|工業材料として見たSPV鋼材」の先頭へ
- 加工材料の性質と特徴(目次)へ戻る
- 圧力容器用鋼板の規格|SPV鋼材の種類と特徴
- ボイラ及び圧力容器用炭素鋼及びモリブデン鋼鋼板(SB材、SB-M材)
- STB鋼管|ボイラ・熱交換器用炭素鋼鋼管の種類と特徴
- STB鋼管(ボイラー・熱交換器用炭素鋼鋼管)の重量
- 溶接構造用圧延鋼材(SM材)の用途、機械的性質、成分の一覧
- 溶接性に影響する元素
- 合金元素の果たす役割
- 炭素当量の計算式について
- マンガン鋼(SMn材)の用途、機械的性質、成分の一覧
- マンガン(元素記号 Mn)の用途、特性、物性、密度、比重、融点、沸点など
- シリコン、ケイ素(元素記号 Si)の用途、特性、物性、密度、比重、融点、沸点など
- 熱処理とは|熱処理の基礎知識
- 炭素鋼と合金鋼の違いと使い分け
- 軟鋼
- 金属の疲労強度、耐疲労性
- 金属の靱性、ねばり強さ(靭り強さ、粘り強さ)
- 冷間加工と熱間加工の違い
- 鉄鋼、鉄、炭素鋼、ステンレス、鋳鉄、超硬の熱膨張係数
- 金属の熱伝導率の一覧表
- 鉄鋼材料、鉄、炭素鋼、工具鋼の比重
- 鉄鋼、炭素鋼、鋳鉄、純鉄、ステンレスの熱伝導率
- 鉄鋼、鉄、炭素鋼、ステンレス、ハイスの比熱
- 鉄鋼、鉄、炭素鋼、ステンレスの電気抵抗
- 金属単体の比重、密度の一覧表
- 金属の融点、沸点の一覧表
- 金属の熱伝導率の一覧表
- 金属材料の硬度の一覧と比較