SPV450の成分、材質、比重、引張強さ、降伏点などのJIS規格|工業材料として見たSPV鋼材
SPV450はシリコンマンガン鋼の一種で、圧力容器用の鋼材です。圧力容器として使う上ではずせないパラメータが設定されているため使いやすい鋼種ですが、もちろんそれ以外の用途にも使えます。他の鋼材と若干異なり、材料記号のSPV450の数字部分の450は引っ張り強さではなく、降伏点(耐力)の最低値をMPaで示した値です。
炭素量の多さは溶接性には悪影響を及ぼすものの、強度に影響してくるため、合金元素で補う形となります。
強度やねばりといった点に大きな特徴がある鋼材です。
SPV450の比重
比重については熱延鋼板と同様の7.85がベースとなりますが、構成成分によって厳密には変わってきます。
SPV450の成分、材質
SPV材の種類 | C | Si | Mn | P | S |
---|---|---|---|---|---|
SPV450 | 0.18以下 | 0.75以下 | 1.60以下 | 0.030以下 | 0.030以下 |
SPV450の機械的性質
SPV鋼材の種類 | 降伏点、耐力(N/mm2) | 引張強さ (N/mm2) |
伸び | 曲げ性 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
厚さ6ミリ以上50ミリ以下 | 50ミリを超え100ミリ以下 | 100ミリを超え200ミリ以下 | 厚さ(ミリ) | 試験片 | % | 曲げ角度 | 内径半径 | 試験片 | ||
SPV450 | 450以上 | 430以上 | 410以上 | 570から700 | 16以下 | 5号 | 19以上 | 180° | 厚さの1.5倍 | 1号 |
16を超えるもの | 5号 | 26以上 | ||||||||
20を超えるもの | 4号 | 20以上 |
SPV450のシャルピー吸収エネルギー
低温にし、耐衝撃性を見るための指標となります。試験片はVノッチ、圧延方向のものになります。
SPV鋼材の種類 | 試験温度(℃) | シャルピー吸収エネルギー | |
---|---|---|---|
3個の試験片の平均値 | 個々の試験片の値 | ||
SPV450 | −10℃ | 47以上 | 27以上 |
SPV450の炭素当量|焼入れ焼戻しを行う
炭素当量(Ceq)の計算式は下記が適用されます。
SPV鋼板 | 厚さ | ||||
---|---|---|---|---|---|
50ミリ以下 | 50ミリを超え75ミリ以下 | 75ミリを超え100ミリ以下 | 100ミリを超え125ミリ以下 | 125ミリを超え150ミリ以下 | |
SPV450 | 0.44以下 | 0.46以下 | 0.49以下 | 0.52以下 | 0.54以下 |
SPV450の溶接割れ感受性組成|焼入焼戻しを行う
溶接割れ感受性組成(Pcm)の計算式は下記が適用されます。
SPV鋼材の種類 | 厚さ | |
---|---|---|
50ミリ以下 | 50ミリを超え150ミリ以下 | |
SPV450 | 0.28以下 | 0.30以下 |
「JIS G 3115 圧力容器用鋼板」に規定のある材料記号
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