SPV490の成分、材質、比重、引張強さ、降伏点などのJIS規格|工業材料として見たSPV鋼材

2014年5月21日更新

SPV490は圧力容器用として規定されている鋼材の一つであり、SPVの記号を冠する材料としては6種類あるうちの一つとなります。この系統の鋼材は、Si-Mn鋼板となります。この6種の中では機械的強度にもっとも優れたものとなり、引張強度だけを見ても610MPaから710MPaとなります。

マンガンの含有量のおかげで、溶接性に悪影響を及ぼす炭素量を増やさずとも、強度や靭性が確保できる鋼材です。ここまでの強度を出そうとすると、通常はもっと炭素量を多くする必要が出てきます。

SPV490の比重

比重については熱延鋼板と同様の7.85がベースとなりますが、構成成分によって厳密には変わってきます。

SPV490の成分、材質

SPV490の成分、材質
SPV材の種類 C Si Mn P S
SPV490 0.18以下 0.75以下 1.60以下 0.030以下 0.030以下

SPV490の機械的性質

SPV490の引張強さ、耐力、降伏点、曲げ性
SPV鋼材の種類 降伏点、耐力(N/mm2 引張強さ
(N/mm2
伸び 曲げ性
厚さ6ミリ以上50ミリ以下 50ミリを超え100ミリ以下 100ミリを超え200ミリ以下 厚さ(ミリ) 試験片 曲げ角度 内径半径 試験片
SPV490 490以上 470以上 450以上 610から740 16以下 5号 18以上 180° 厚さの1.5倍 1号
16を超えるもの 5号 25以上
20を超えるもの 4号 19以上

SPV490のシャルピー吸収エネルギー

低温にし、耐衝撃性を見るための指標となります。試験片はVノッチ、圧延方向のものになります。

SPV490の耐衝撃性|シャルピー吸収エネルギー
SPV鋼材の種類 試験温度(℃) シャルピー吸収エネルギー
3個の試験片の平均値 個々の試験片の値
SPV490 −10℃ 47以上 27以上

SPV490の炭素当量|焼入れ焼戻しを行う

炭素当量(Ceq)の計算式は下記が適用されます。

SPV490の炭素当量
SPV鋼板 厚さ
50ミリ以下 50ミリを超え75ミリ以下 75ミリを超え100ミリ以下 100ミリを超え125ミリ以下 125ミリを超え150ミリ以下
SPV490 0.45以下 0.47以下 0.50以下 0.53以下 0.55以下

SPV490の溶接割れ感受性組成|焼入焼戻しを行う

溶接割れ感受性組成(Pcm)の計算式は下記が適用されます。

SPV490の溶接割れ感受性組成(単位:%)
SPV鋼材の種類 厚さ
50ミリ以下 50ミリを超え150ミリ以下
SPV490 0.28以下 0.30以下

「JIS G 3115 圧力容器用鋼板」に規定のある材料記号

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