SW-Aの材質、引張強さなどの特徴|硬鋼線、硬鋼線材の材質、成分、比重、降伏点などの規格
SW-Aは硬鋼線A種とも呼ばれ、一言で言えば鋼の線となります。JISで規格化されている硬鋼線材を用いて、熱処理(パテンチング処理)の工程を経て、冷間加工(伸線)したものとなります。 硬鋼線のなかでは最も引張強さは弱くなります。とはいえ、線径が1mmのものでも1470から1720MPaほどの引張強度があり、細いほど強くなります。
あまり強度が求められる用途やバネの鋼線としての用途は少なく、金網や線材を用いた金属加工品などに使われます。
SW-Aは通常、素材として40カーボンの硬鋼線材を用いられていることが多い鋼線です。40カーボンに相当する硬鋼線材としては、SWRH37A、SWRH37B、SWRH42A、SWRH42B等が使われます。
線径の範囲は0.08mm以上10.0mm以下となり、線径が細いほど引張強度に優れます。
SW-Aの成分
SW-Aの成分については規定はなく、素材となる硬鋼線材に成分値が規定されています。
硬鋼線(SW-A)の機械的性質
SW-Aの引張強さ
標準の線径 mm |
硬鋼線SW-Aの引張強さ N/mm2 |
---|---|
0.08 | 2110から2450 |
0.09 | 2060から2400 |
0.10 | 2010から2350 |
0.12 | 1960から2300 |
0.14 | 1960から2260 |
0.16 | 1910から2210 |
0.18 | 1910から2210 |
0.20 | 1910から2210 |
0.23 | 1860から2160 |
0.26 | 1810から2110 |
0.29 | 1770から2060 |
0.32 | 1720から2010 |
0.35 | 1720から2010 |
0.40 | 1670から1960 |
0.45 | 1620から1910 |
0.50 | 1620から1910 |
0.55 | 1570から1860 |
0.60 | 1570から1810 |
0.65 | 1570から1810 |
0.70 | 1520から1770 |
0.80 | 1520から1770 |
0.90 | 1520から1770 |
1.00 | 1470から1720 |
1.20 | 1420から1670 |
1.40 | 1370から1620 |
1.60 | 1320から1570 |
1.80 | 1270から1520 |
2.00 | 1270から1470 |
2.30 | 1230から1420 |
2.60 | 1230から1420 |
2.90 | 1180から1370 |
3.20 | 1180から1370 |
3.50 | 1180から1370 |
4.00 | 1180から1370 |
4.50 | 1130から1320 |
5.00 | 1130から1320 |
5.50 | 1080から1270 |
6.00 | 1030から1230 |
6.50 | 1030から1230 |
7.00 | 980から1180 |
8.00 | 980から1180 |
9.00 | 930から1130 |
10.0 | 930から1130 |
11.0 | − |
12.0 | − |
13.0 | − |
「JIS G 3521 硬鋼線」に規定のある材料記号
「JIS G 3506 硬鋼線材(2004年改訂)」に規定のある材料記号
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