ゴムの引張強度|温度によるゴムの引張強さの変化

2014年4月26日更新

ゴムが破断するまでの負荷がどれくらいかを見る引張強さは、室温での計測時と高温環境や低温環境では異なる結果となります。ゴムの場合、ダンベル型もしくはリング型の試験片を用いて、実際に千切れるまでの強さを見ます。

ゴムは他の工業材料に比べ、熱に弱い性質を持つため、温度が高いほどに強度は弱くなる傾向があります。

ゴムとしての性質を付与するための工程でもある、加硫(架橋)の直後はおおよそ150℃を超える温度となるため、ゴム自体の引張強さというのは常温時の10%前後となります。100℃前後に温度が下がってきて、ようやく常温の半分程度の引張強度を得ることになります。こうした点は、ゴムやゴム製品の製造時における取り扱いの際にも考慮する必要があります。

ゴムの引張強さと温度の関係
ゴムの種類 ゴムの記号 引張強さ(室温)MPa 引張強さ(121℃)MPa 引張強さ(205℃)MPa
天然ゴム NR 18.6 10.1 0.9
スチレンブタジエンゴム SBR 15.7 8.3 1.2
ニトリルゴム NBR 15.2 4.0 0.9
ブチルゴム IIR 16.7 6.9 2.5
クロロプレンゴム CR 12.9 9.8 1.0
クロロスルホン化ポリエチレンゴム CSM 15.3 6.4 2.5
アクリルゴム ACM 11.8 5.9 1.6
シリコーンゴム VMQ 6.4 3.5 2.4
フッ素ゴム FKM 14.2 5.4 2.0

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