紛争鉱物の産出国
紛争鉱物調査についての開示義務を課している法律が米国上場企業を対象にした米国内の法律になる為、この中で報告が必要となる紛争鉱物の産出国についても定義がなされています。現在は10カ国あります。
但し、これは普遍のものではなく、状況によって変わっていくものと解釈されるべきですが、現在のところ、米国上場企業にて、使用している紛争鉱物の産出国として次の10カ国が確実に入っていることが分かっている場合は、三段階ある義務のうち、ステップ3で必要となるデューデリジェンスに則った紛争鉱物報告書を作成・提出する義務、監査を受ける義務が生じます。
紛争鉱物の対象国として指定されている産出国
コンゴ民主共和国(DRC)と国境を接する国々が多く、以下の10カ国となります。
- コンゴ民主共和国(DRC)
- アンゴラ
- ブルンジ
- 中央アフリカ共和国
- コンゴ共和国
- ルワンダ
- 南スーダン
- タンザニア
- ウガンダ
- ザンビア
これら10カ国を起源にもつ紛争鉱物(スズ、タンタル、タングステン、金)だからといって、武装勢力の資金源と関係があるかどうかはわからず、地域の雇用を生み出しているしっかりした鉱山経営がなされている可能性もあるため、精査であるデューデリジェンスが必要となるわけです。
こうした産出国からは買わなければいいではないかと思われるかもしれませんが、貧困に苦しむ国が多いため、国単位で一方的に鉱石を封鎖してしまうようなことや不買などを行うと、武装勢力と何の関係もない多くの鉱山従事者が職を失うことになりますので、米国側もこうした点に苦慮しており、段階を踏んだ調査を行うことで、何とか武装勢力の資金源を断ち切ろうとしている状況です。
紛争がなくなれば、こうした調査も不要になりますが、現在のところ、それがいつになるのかは誰にも明言できません。
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