WC(炭化タングステン)のコーティング
切削工具のコーティング用途としては、あまり単体では見ませんが、炭化タングステンそのものは超硬合金の材料であるが故、非常に硬い素材で、比重も重い材料です。色は暗灰色をしています。
通常は、PVDやCVDなどではなく、溶射によるコーティングに使われますが、セラミックス単体ではなく、コバルトなどの金属と化合させたサーメットの形態での膜付けが行われています。
研磨せずとも滑らかな表面が得られる点が大きな特徴で、耐磨耗性を付与したい際には活躍するコーティングです。
ともに用いる金属にもよりますが、1000から1500Hv程度の硬度を持ちます。
WC(炭化タングステン)の物性
WC(炭化タングステン)のバルクとしての密度、比重、融点、熱膨張係数、熱伝導率、摩擦係数、ヤング率、曲げ強さ、引張り強さ、圧縮強さ、クリープ、硬度、衝撃強さなどの物性の参考値です。
組成、化学成分 | WC |
---|---|
比重、密度(g/cm3) | 15.5から15.7 |
融点(融点分解点) ℃ |
2627から2900 |
熱膨張係数 x10-6/℃ |
− |
熱伝導率 cal/cm・s・℃ |
0.070 |
摩擦係数 | − |
ヤング率 x104kgf/mm2 |
− |
ポアソン比 | − |
曲げ強さ kgf/mm2 |
− |
引張強さ kgf/mm2 |
− |
圧縮強さ kgf/mm2 |
− |
クリープ ε(%) |
− |
硬度、硬さ (Hv) |
1000から1500前後 |
衝撃強さ kgf・cm/cm2 |
− |
臨界熱衝撃温度差(ΔTc) ℃ |
− |
特徴 |
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