ZrO2(酸化ジルコニウム) の特性
薄膜材料としてのZrO2(酸化ジルコニウム)は約340nmから8μmを透過波長域に持つ高屈折率材料の一つです。汎用性が高く、3層ARコートにおける波長領域を広げるための平坦層としてよく使われます。またZrO2をベースにした混合材料も広く知られています。
ZrO2が本来持つ不均質(膜厚による屈折率傾斜)の性質を緩和するためTiO2との混合物、耐熱性に優れた薄膜としてY2O3と混合したYSZ [ZrO2とY2O3の混合物]など、他材料との混合物もよく行われます。
屈折率 | 2.00〜2.05(550 nm近辺) |
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使用波長域 | 0.34 〜 12μm |
蒸発方法 | EB(電子ビーム) |
蒸発源材料 | タングステン |
蒸発タイプ | 昇華 |
膜質 | - |
応力 | 引っ張り |
主な用途 | 光学膜、反射防止膜、多層膜 |
理論密度 | 5.56g/cm3 |
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融点 | 2677℃ |
沸点 | 4548℃ |
性質 | 水溶性:不溶 耐薬品性(酸、アルカリ):硫酸、弗化水素酸に可溶 |
結晶構造 | 単斜(<1000℃)、立方(>1000℃)※1 |
抵抗率ρ/10^-8Ωm | 1 x 10^12 温度(θ/℃)385 ※3 |
誘電率、比誘電率εγ | 12.5 温度/℃:室温 周波数/Hz:2x10^6 ※2 |
熱膨張係数 | 4.2 x 10^-6 ※4 |
熱伝導率(cal/cm/sec/℃) | 0.307 x 10^-2 ※4 |
比熱(cal/℃/mole) | 15.26 127T(℃) ※4 |
外観 | 白色 |
CAS-NO | 1314-23-4 |
輸送情報 | 輸出貿易管理令(リスト規制非該当) |
参照文献
- ※1:[日本化学会編,“化学便覧 基礎編 改訂5版”,丸善(2005),p.T-363]
- ※2:[日本化学会編,“化学便覧 基礎編 改訂5版”,丸善(2005),p.U-624]
- ※3:前掲 p.U-612
- ※4:生産現場における光学薄膜の設計・作製・評価技術 監修/小倉繁太郎 技術情報協会 2001年1月22日 第7章第11節『紫外線波長用フィルター』p266-267 小倉繁太郎
専門誌等で発表されているZrO2の薄膜に関する研究論文
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