YF3(フッ化イットリウム)の特性
YF3 (フッ化イットリウム)は、約200nmから14μm程度を透過波長域とする低屈折率材料の一つです。赤外領域での良好な透過率を持つことから、赤外域用の光学部品にも使われます。耐湿性、機械的強度の向上などには成膜技術上の課題が残ります。特定の水吸収帯域を持つことが知られています。
屈折率 | 1.5(550nm近辺) ※3 |
---|---|
使用波長域 | 0.2-14μm ※3 |
蒸発方法 | EB(電子ビーム)、抵抗加熱 |
蒸発源材料 | モリブデン |
蒸発タイプ | - |
膜質 | - |
応力 | 引っ張り |
主な用途 | IR膜 |
理論密度 | 5.07g/cm3 |
---|---|
融点 | 1152℃ |
沸点 | 2230℃ |
性質 | 不溶(水)、分解(濃酸) ※1 |
結晶構造 | 斜方 YF3型 高温で六方晶に転移 ※2 |
抵抗率ρ/10^-8Ωm | - |
誘電率、比誘電率εγ | - |
熱膨張係数 | - |
熱伝導率(cal/cm/sec/℃) | - |
比熱(cal/℃/mole) | - |
外観 | 白色 |
CAS-NO | |
輸送情報 | 輸出貿易管理令(リスト規制非該当) |
参照文献
- ※1:[日本化学会編,“化学便覧 基礎編 改訂5版”,丸善(2005),p.T-358]
- ※2:[日本化学会編,“化学便覧 基礎編 改訂5版”,丸善(2005),p.U-836]
- ※3:光学薄膜と成膜技術 李正中 署 株式会社アルバック訳 アグネ技術センター2005年8月30日初版第三刷
専門誌等で発表されているYF3の薄膜に関する研究論文
掲載誌 | Journal of Materials Science Letters Volume 11, Number 2, Jan 1992 page94-9 |
---|---|
タイトル | "Laser-Induced damage study on vacuum evaporated YF3 thin films" |
著者 | - |
概要 | - |
掲載誌 | Proc. SPIE 2253, 195-203(1994) |
---|---|
タイトル | "Optical and structural properties of YF3 thin films prepared by ion assisted deposition or ion beam sputtering techniques" |
著者 | J.Y.Robic, V.Muffato, P.Chaton, M.Ida and M.Berger |
概要 | - |
スポンサーリンク
>「YF3(フッ化イットリウム、Yttrium(V)Fluoride)の特性」についての先頭へ
- YF3(フッ化イットリウム)のメーカー一覧
- 受託成膜や成膜サービスを行っている企業の一覧
- 蒸着材料のメーカー一覧
- スパッタリングターゲットのメーカー一覧
- CVD材料のメーカー一覧
- 溶射材料のメーカー一覧
YF3(フッ化イットリウム、Yttrium(V)Fluoride)の関連記事
薄膜の材料特性
酸化物の薄膜
- Al2O3(酸化アルミニウム、アルミナ)
- CeO2(酸化セリウム)
- Cr2O3(酸化クロム)
- Ga2O3(酸化ガリウム)
- HfO2(酸化ハフニウム、ハフニア)
- NiO(酸化ニッケル)
- MgO(酸化マグネシウム、マグネシア)
- I.T.O(In2O3+SnO2)酸化インジウムスズ
- Nb2O5(五酸化ニオブ)
- Ta2O5(五酸化タンタル)
- Y2O3(酸化イットリウム、イットリア)
- WO3(酸化タングステン)
- TiO(一酸化チタン)
- Ti3O5(五酸化チタン)
- TiO2(二酸化チタン、チタニア)
- ZnO(酸化亜鉛)
- ZrO2+TiO2(複合酸化物)
- ZrO2(酸化ジルコニウム、ジルコニア)
フッ化物の薄膜
- AlF3(フッ化アルミニウム)
- CaF2(フッ化カルシウム)
- CeF3(フッ化セリウム)
- LaF3(フッ化ランタン)
- LiF(フッ化リチウム)
- NaF(フッ化ナトリウム)
- MgF2(フッ化マグネシウム)
- NdF3(フッ化ネオジウム)
- SmF3(フッ化サマリウム)
- YbF3(フッ化イッテルビウム)
- YF3(フッ化イットリウム)
- GdF3(フッ化ガドリニウム)