Y2O3(酸化イットリウム)の特性
Y2O3は短波長域のレーザーや赤外域での反射防止膜としても興味深い材料の一つです。比較的高い屈折率を持ち、透過波長域が紫外から赤外にかけて広いことから、中間屈折率材料として膜設計に組み込まれることもあります。
屈折率 | 1.87(550 nm近辺) |
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使用波長域 | 0.3 〜 12μm |
蒸発方法 | EB(電子ビーム) |
蒸発源材料 | - |
蒸発タイプ | - |
膜質 | 非晶質(基板加熱により一部結晶質)、硬い |
応力 | 圧縮 |
主な用途 | 多層膜、絶縁膜 |
理論密度 | 5.03g/cm3 |
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融点 | 2410℃ |
沸点 | 〜4300℃ ※1 |
性質 | 水溶性:不溶 耐薬品性(酸、アルカリ):酸に可溶、アルカリに不溶 ※1 |
結晶構造 | 立方晶系 Sc2O3型 ※2 |
抵抗率ρ/10^-8Ωm | |
誘電率、比誘電率εγ | |
熱膨張係数 | 7.3 x 10^-6 ※3 |
熱伝導率(cal/cm/sec/℃) | 3.19 x 10^-2 ※3 |
比熱(cal/℃/mole) | 27.09 127T(℃) ※3 |
外観 | 白色 |
CAS-NO | 1314-36-9 |
輸送情報 | 輸出貿易管理令(リスト規制非該当) |
参照文献
- ※1:[日本化学会編,“化学便覧 基礎編 改訂5版”,丸善(2005),p.T-358]
- ※2:[日本化学会編,“化学便覧 基礎編 改訂5版”,丸善(2005),p.U-838]
- ※3:生産現場における光学薄膜の設計・作製・評価技術 監修/小倉繁太郎 技術情報協会 2001年1月22日 第7章第11節『紫外線波長用フィルター』p266-267 小倉繁太郎
専門誌等で発表されているY2O3の薄膜に関する研究論文
掲載誌 | APPLIED OPTICS Vol. 36, No. 10 / 1 April 1997 p.2157-2159 |
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タイトル | "Optical and durability properties of infrared transmitting thin films" |
著者 | Jennifer D. Traylor Kruschwitz, Walter T. Pawlewicz |
概要 | 赤外域での透過領域を持つ14の酸化物とフッ化物(Bi2O3, Cr2O3, HfO2, Ta2O5, Y2O3, ZrO2, CaF2, CeF3, HfF4, LaF3, NdF3, PbF2, SrF2, YbF3)について、赤外域での屈折率、消衰係数、基板との密着性、耐摩耗性(MIL規格)の観点から最適な材料を検証した研究論文 |
掲載誌 | APPLIED OPTICS Vol. 18, No. 1 / 1 January 1979 p.111-115 |
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タイトル | "Refractive index of some oxide and fluoride coating materials" |
著者 | David Smith and Philip Baumeister |
概要 | 250-2000nmにおけるTa2O5, HfO2, Y2O3, La2O3, ZrO2, CeO2, CeF3, LaF3, NdF3, MgF2の屈折率についての研究論文 |
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