TiC(炭化チタン)コーティングの特徴と物性|硬度、色、熱膨張係数、融点、密度、比重
TiC(炭化チタン)は銀色をした耐摩耗性に優れたコーティングで、摩擦係数が小さいことから摺動部品に使われることがあります。耐食性もそこそこよく、鉄鋼材の成型加工に適したコーティングであり、樹脂への離型性もよいことからこうした生産に用いる型にコーティングされることがあります。
主な用途は切削工具や部品のほか、プレス成形、冷間鍛造、粉末成形、プラスチック成形などの金型、ロール、パイプ成形用の金型や治具などへのコーティングです。
膜の硬度は3000から4000HV前後まで出るとされています。この硬度は、セラミックスコーティングの中ではDLCに次ぐ硬さであり、炭化膜のなかでも特に硬いコーティングとなります。摩擦係数もトップクラスの低さをもつDLCとほぼ同等であり、耐熱性も強いため、高温環境や高温になることが想定される部材へも使われます。
TiC(炭化チタン)の物性
のバルクとしての密度、比重、融点、熱膨張係数、熱伝導率、摩擦係数、ヤング率、曲げ強さ、引張り強さ、圧縮強さ、クリープ、硬度、衝撃強さなどの物性の参考値です。
組成、化学成分 | TiC |
---|---|
比重、密度(g/cm3) | 4.85から4.93前後 |
融点(融点分解点) ℃ |
3180から3250前後 |
熱膨張係数 x10-6/℃ |
7.8前後(200から400℃) |
熱伝導率 cal/cm・s・℃ |
0.041から0.06(室温) |
摩擦係数 | 0.25 |
ヤング率 x104kgf/mm2 |
− |
ポアソン比 | − |
曲げ強さ kgf/mm2 |
− |
引張強さ kgf/mm2 |
− |
圧縮強さ kgf/mm2 |
− |
クリープ ε(%) |
− |
硬度、硬さ (Hv) |
3000から4000 |
衝撃強さ kgf・cm/cm2 |
− |
臨界熱衝撃温度差(ΔTc) ℃ |
− |
特徴 | 耐熱性に優れるセラミックスコーティングで、低摩擦、、高硬度。 |
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