工具コーティングのメーカーの一覧
切削工具の刃の部分には、通常、強度向上や耐摩耗性の付与、硬度や耐摩擦性能をあげるためにコーティングがつけられています。工具の基材に使う金属はハイス鋼をはじめとする工具鋼や超硬ですが、これらの改良と共に、刃につけられる膜の性能の進化によって工具の寿命や切れ味も進歩を遂げてきました。
金属材料そのものでは限界のある硬度や耐摩耗性を薄膜による付与で補うという考え方です。
工具コーティングは、新品の段階でついているものと、使っている途中で刃の再研磨を依頼する際に、再コーティングも依頼する場合とがあります。
コーティングされる薄膜の性質については、成膜手法によって特性や物性が変わることが知られています。同じ材質のコーティングでも違う性質を持つことがある点を考慮した選択が求められます。
- オーエスジーコーティングサービス
- 切削工具に特化したコーティングメーカー。大手切削工具メーカーであるオーエスジーのコーティング部門が分社化したもの。コーティングの受託生産を専門に請け負う。
- 不二越
- 切削工具大手メーカー。工具の再研削・再コーティングも手がけている。
- グリーンツール
- 産業用切削工具の再研磨、メーカー。再研磨からコーティングまでを一貫して管理し、短納期を実現。切削環境に合わせて約30種類のコーティングが可能。
- ソリッドツール
- 超硬切削工具専門メーカー。コーティング処理は、超硬素材の靱性を変えることなく耐摩耗性(高硬度)を大幅に改善可能。
- サンドビック コロマント事業部
- 超硬工具の世界大手サンドビック社。再研磨、再コーティングも請け負う。
- ユニオンツール
- 産業用切削工具の製造・販売するメーカー。電子回路基板用超硬ドリルを主力製品とする。受託コーティングサービスでは、独自のパルスアークPVDにより、ULF(DLC)コート硬度6500HVとDLCの中でも最も硬度の高い高性能皮膜がコーティング可能。
- 日本コーティングセンター
- 耐摩耗・摺動部品、金型用被膜、切削工具用被膜などを手がけるコーティングメーカー。溶射大手のトーカロ傘下。
- タイゴールド
- イオンプレーティング受託加工のパイオニア。HCD法・AIP法を主体とした硬質膜を成膜しており、工具コーティングも手がける。
- トーヨーエイテック
- 単品の受託加工の他に素材からの一貫生産も手がける。
- ナノテック
- DLCとICFコーティングを受託で請け負う。
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- 受託成膜や成膜サービスを行っている企業の一覧
- 蒸着材料のメーカー一覧
- スパッタリングターゲットのメーカー一覧
- 溶射材料のメーカー一覧
工具コーティングのメーカーの関連記事
薄膜の材料特性
酸化物の薄膜
- Al2O3(酸化アルミニウム、アルミナ)
- CeO2(酸化セリウム)
- Cr2O3(酸化クロム)
- Ga2O3(酸化ガリウム)
- HfO2(酸化ハフニウム、ハフニア)
- NiO(酸化ニッケル)
- MgO(酸化マグネシウム、マグネシア)
- I.T.O(In2O3+SnO2)酸化インジウムスズ
- Nb2O5(五酸化ニオブ)
- Ta2O5(五酸化タンタル)
- Y2O3(酸化イットリウム、イットリア)
- WO3(酸化タングステン)
- TiO(一酸化チタン)
- Ti3O5(五酸化チタン)
- TiO2(二酸化チタン、チタニア)
- ZnO(酸化亜鉛)
- ZrO2+TiO2(複合酸化物)
- ZrO2(酸化ジルコニウム、ジルコニア)
フッ化物の薄膜
- AlF3(フッ化アルミニウム)
- CaF2(フッ化カルシウム)
- CeF3(フッ化セリウム)
- LaF3(フッ化ランタン)
- LiF(フッ化リチウム)
- NaF(フッ化ナトリウム)
- MgF2(フッ化マグネシウム)
- NdF3(フッ化ネオジウム)
- SmF3(フッ化サマリウム)
- YbF3(フッ化イッテルビウム)
- YF3(フッ化イットリウム)
- GdF3(フッ化ガドリニウム)