AlN(窒化アルミニウム)コーティングの特徴と物性|硬度、色、熱膨張係数、融点、密度、比重
AlN(窒化アルミニウム)はセラミックスのひとつで、高い絶縁性や同種の物質の中では比較的高めの熱伝導率に特徴がある物質です。それぞれ熱伝導率が常温で170前後、熱膨張係数は4.3から4.8(常温から400℃程度まで。K1【x10-6】)、バンドギャップ約 6.3 eVとされます。なお、屈折率は1.9から2.2程度とされます。
セラミックス一般が持つ特性に加えて、上記のような特性を持つから耐熱部品、耐食部品、金属溶解用の容器、放熱基板、ヒートシンク部材、またパワーデバイスとしての用途も検討されることがあります。
なお、色はクリーム色、もしくは象牙色のものが一般的ですが、メーカーによって異なる色をもつものもあります。
AlN(窒化アルミニウム)の物性
AlN(窒化アルミニウム)のバルクとしての密度、比重、融点、熱膨張係数、熱伝導率、摩擦係数、ヤング率、曲げ強さ、引張り強さ、圧縮強さ、クリープ、硬度、衝撃強さなどの物性の参考値です。
組成、化学成分 | AlN |
---|---|
比重、密度(g/cm3) | 3.32 |
融点(融点分解点) ℃ |
2450 |
熱膨張係数 x10-6/℃ |
5.7(室温〜1000℃) |
熱伝導率 cal/cm・s・℃ |
0.05 |
摩擦係数 | 0.15〜0.26(対クロム) |
ヤング率 x104kgf/mm2 |
2.79 |
ポアソン比 | 0.21から0.29 |
曲げ強さ kgf/mm2 |
70(室温〜800℃)、63(1000℃)、49(1200℃) |
引張強さ kgf/mm2 |
39(室温) |
圧縮強さ kgf/mm2 |
375 |
クリープ ε(%) |
0.8から1.3 18.7kgf/mm2荷重1200℃、48時間 |
硬度、硬さ (Hv) |
1400(室温) |
衝撃強さ kgf・cm/cm2 |
2〜4 |
臨界熱衝撃温度差(ΔTc) ℃ |
250 |
特徴 | 耐食性に優れる。 |
スポンサーリンク
>「AlN(窒化アルミニウム)コーティングの特徴と物性|硬度、色、熱膨張係数、融点、密度、比重」についての先頭へ
- 工具コーティングのメーカーの一覧
- 受託成膜や成膜サービスを行っている企業の一覧
- 蒸着材料のメーカー一覧
- スパッタリングターゲットのメーカー一覧
- CVD材料のメーカー一覧
- 溶射材料のメーカー一覧
AlN(窒化アルミニウム)コーティングの特徴と物性|硬度、色、熱膨張係数、融点、密度、比重の関連記事
薄膜の材料特性
酸化物の薄膜
- Al2O3(酸化アルミニウム、アルミナ)
- CeO2(酸化セリウム)
- Cr2O3(酸化クロム)
- Ga2O3(酸化ガリウム)
- HfO2(酸化ハフニウム、ハフニア)
- NiO(酸化ニッケル)
- MgO(酸化マグネシウム、マグネシア)
- I.T.O(In2O3+SnO2)酸化インジウムスズ
- Nb2O5(五酸化ニオブ)
- Ta2O5(五酸化タンタル)
- Y2O3(酸化イットリウム、イットリア)
- WO3(酸化タングステン)
- TiO(一酸化チタン)
- Ti3O5(五酸化チタン)
- TiO2(二酸化チタン、チタニア)
- ZnO(酸化亜鉛)
- ZrO2+TiO2(複合酸化物)
- ZrO2(酸化ジルコニウム、ジルコニア)
フッ化物の薄膜
- AlF3(フッ化アルミニウム)
- CaF2(フッ化カルシウム)
- CeF3(フッ化セリウム)
- LaF3(フッ化ランタン)
- LiF(フッ化リチウム)
- NaF(フッ化ナトリウム)
- MgF2(フッ化マグネシウム)
- NdF3(フッ化ネオジウム)
- SmF3(フッ化サマリウム)
- YbF3(フッ化イッテルビウム)
- YF3(フッ化イットリウム)
- GdF3(フッ化ガドリニウム)