SGLC570の強度、成分、比重、板厚、サイズ等の規格|ガルバリウム鋼板の種類と特徴
SGLC570の特徴
SGLC570はガルバリウム鋼板として規定されているJIS規格における材料記号です。12種類あるうち、もっとも強度に優れたグレードとなり、最低の引張強さが570MPa以上あるものの、降伏点も560MPaと高い降伏比になっているため、変形による衝撃吸収の能力は乏しく、積極的に衝撃を吸収することが求められる用途にはあまり向いていません。
冷延鋼板にメッキ付けしたもので、高強度一般用として設定されており、板の厚みについては0.25mm以上2.0mm以下の薄板となります。強度を上げるために炭素量が0.30%以下と、鋼板の中では高めの値になっています。
SGLC570の特性
ガルバリウム鋼板(SGLC570)の成分、材質
ガルバリウム鋼板の種類 | C 炭素 |
Mn マンガン |
P リン |
S 硫黄 |
---|---|---|---|---|
SGLC570 | 0.30以下 | 2.50以下 | 0.20以下 | 0.05以下 |
ガルバリウム鋼板(SGLC570)の機械的性質、強度
鋼板の種類の記号 | 降伏点、耐力 N/mm2 |
引張強さ N/mm2 |
伸び(%) | 試験片と方向 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
板の厚み(メッキ前、単位:ミリ) | ||||||||
0.25以上0.40未満 | 0.40以上0.60未満 | 0.60以上1.0未満 | 1.0以上1.6未満 | 1.6以上2.3以下 | ||||
SGLC570 | 560以上 | 570以上 | − | − | − | − | − | 5号、圧延方向もしくは圧延方向へ直角 |
ガルバリウム鋼板(SGLC570)の重量、質量、比重
7.85が原板(メッキ前の鋼板)に共通する比重となり、計算方法としてはこれに厚みをかけ、メッキ定数を加算し、面積をかけることで実際の重量が出ます。
ガルバリウム鋼板(SGLC570)のサイズ、寸法
JISでは標準の幅と長さの組み合わせが規定されています。
ガルバリウム鋼板(SGLC570)の板厚
板の厚さについては、メッキ前のものを基準にし、上記の範囲で以下のようなバリエーションがあります。
ガルバリウム鋼板(SGLC570)のメッキ厚
メッキの付着量と標準的なメッキの厚さの目安としては以下の表の通りです。なお、製品の質量・重量計算に使うメッキ量定数もこの表に記載しています。
ガルバリウム鋼板の一覧|JIS G 3321 溶融55%アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板及び鋼帯に規定されている材料記号一覧
鋼板の種類、記号 | 板の厚さ(メッキ前) |
---|---|
SGLHC | 1.6ミリ以上2.3ミリ以下 |
SGLH400 | |
SGLH440 | |
SGLH490 | |
SGLH540 |
鋼板の種類、記号 | 板の厚さ(メッキ前) |
---|---|
SGLCC | 0.25ミリ以上2.3ミリ以下 |
SGLCD | 0.40ミリ以上1.6ミリ以下 |
SGLCDD | |
SGLC400 | 0.25ミリ以上2.3ミリ以下 |
SGLC440 | |
SGLC490 | |
SGLC570 | 0.25ミリ以上2.0ミリ以下 |
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