Oリングのメーカーの一覧
Oリングとは輪の形をしたパッキンのことで、気体や液体の密封(シーリング)用として欠かすことできない重要部品の一つです。ゴムや樹脂、金属中空などで作られており、「輪の太さ」と「内径」には非常に多くの種類があります。漏れては困る液体の種類、気体の種類とによって耐性のある材質を選び、かかる温度や圧力を考慮しつつ、シールする部分にあわせた輪の寸法・サイズと、固定部材か、動きのある運動用部材か、求める精度の度合いに応じて許容公差のグレードを選んでいくことになります。圧力が一定以上かかることが分かっている場合は、Oリングを補佐するバックアップリングとあわせて使います。これは樹脂でできたものが多いですが、高圧環境下でのゴム製のOリングのはみ出しを防止する目的や、溝壁に押し込まれてしまう現象を防止するために使われます。
Oリングのサイズや寸法などを定めた規格は、基本的には日本のJISもISOにあわせる形で規定されており、ISOが改訂されるとそれにあわせて日本の規格も改訂されます。Oリングの専門メーカーの中には、メーカー独自の規格を持つところもあったり、同じ規格でも仕様が若干異なることもあったりします。Oリングは使う場所が場所だけに、慎重に選びたいものです。
かの有名なスペースシャトルのチャレンジャー号の事故も、直接的な原因は想定を超える低温によってOリングが密封する機能を失ったためとも言われています。Oリングの選択は、直接的に触れる液体や気体、圧力以外にも、温度や雰囲気などの外的な環境による影響も総合的に考慮していく必要があります。
- NOK
- シール製品の最大手メーカー。元の日本オイルシール工業がNOKに社名変更して誕生。1941年設立。Oリングとしては、さまざまな使用条件に適した豊富なゴム材料をもとに多様なラインナップを持つ。NOK独自の材料規格番号も持つ。サイトでは、Oリングの選定方法などを記したテクニカルノートを公開している。航空機用、自動車用や、JIS規格に対応した製品ラインナップのほか、NOK WEX シリーズ(水用Oリングシリーズ:固定用、運動用)、NOKアイアンラバー P,G シリーズ(固定用、運動用)などが紹介されている。Oリングの他にも、オイルシール、パッキン、メカニカルシール、リップシール、セグメントシール、シール製品、メタルガスケット、ソフトメタル、スタティックメタルパッキン、パーフロロエラストマー“カルレッツ”、シールワッシャー、磁性流体シール、FPC付ガスケットなどを製造販売。
- 阪上製作所
- 1897年創業のゴムパッキン、樹脂パッキン、ジャバラ製品のメーカー。Oリングとしては、運動用・固定用Oリング(P・G)、呼び番号KSなどが紹介されている。同社のサイトでは、製品は、パッキンの組み合わせのほか、製品番号の頭文字からも探せるようになっている。
- 三菱電線工業
- 電線の大手メーカーであり、機器部品、電装部品、光部品などを事業軸に持つ。シール・パッキン製品としては、航空宇宙用、真空・半導体装置用、自動車用、建機・油圧機器用、空気圧機器用などOリング、キャップシール、Uパッキン、RL(ラジアルリップ)シール、シールリングなど豊富なシール製品でソリューションを提供する。
- トレルボルグシーリングソリューションズ
- 1950年代前半に設立されたシール・ベアリング製品の世界トップクラスのサプライヤーの一つ。スウェーデンのトレルボルグ社(TRELLEBORG)の事業部門。油空圧、産業機器用シール、ウェアリングおよびベアリングの製造、販売を手がけている。Oリングとしては、低摩擦、耐蝕性を特徴とする、フッ素ポリマー被膜のOリングである「FEP Oリング」、耐化学薬品性のOリングであるPTFE Oリング、イソラストR パーフロロエラストマー O-リングのほか、汎用の規格に適合したOリングなどを製造販売。
- 森清化工
- モリセイのブランド名で有名なOリングの専門メーカー。独自の規格であるモリセイ規格も持つ。高機能シール部品の製造に特化しており、IS規格にある一般汎用材料から超高性能フッ素ゴム、 モリセイパーフロシリーズ まで多種多様な材質を取り揃えてあらゆる使用環境に対応。品揃えに強み。東京都墨田区にある。
- ニチアス
- 1896年、保温・断熱分野のパイオニアとして創業したメーカー。ゴム系ガスケットや汎用のOリングだけでなく、耐薬品性、非粘着性、純粋性、耐プラズマ性などに優れ、半導体製造装置、液晶パネル製造などに使用される高機能ゴムOリングを手がける。ウェットプロセス用ゴムOリング、ドライプロセス用ゴムOリング、耐熱・耐食性パーフロロゴム製の「ゴムOリング ブレイザーネクスト」、耐薬品・耐プラズマ性パーフロロゴムである「ゴムOリング パーフロPF / PFW」などの製品をラインナップ。低摩擦・非粘着性ふっ素ゴム、耐プラズマ性ふっ素ゴムなど特徴のある製品を持つ。
- イナバゴム
- 1963年創業のゴム製品メーカー。ペタンクッション(R)、イナボール(R)、感圧導電センサー“イナストマー”などの独自製品でも知られる。JIS規格Oリング、特殊サイズOリング、精密ゴム分野のOリングのラインアップに強み。
- 富士工業
- テフロン、フッ素樹脂、フッ素、樹脂の曲げ・溶接・切削加工を得意とするメーカー。テフロンPFA素材の特性を最大限に生かした被覆0リングを紹介。半導体装置のシール部分に適している。
- 荒井製作所
- 茨城県つくばみらい市にある密閉装置メーカー。合成ゴムとフッ素樹脂を基材に、独自の技術力で、高品質なオイルシール、O−リング、パッキン、ガスケット、ゴムローラーを設計開発。2輪・4輪自動車をはじめ、一般産業機械等のシール、パッキンや、複写機用ロールなどのOA機器用としても使われる。
- 武蔵オイルシール工業
- 1948年創業の工業ゴム製品メーカー。オイルシール、Oリング、Mリング、オイルレベルゲージ、シールキャップ、油圧機器パッキングなどの製造販売を手がけている。同サイトでは、Oリングの密封の原理について図入りで紹介されている。
- 日本バルカー工業
- シールエンジニアリングのパイオニア。工業用パッキンの生産を開始したのが昭和7年という老舗。用途に応じて、耐熱、低摩擦、耐プラズマ性、非粘着性など様々な特色を持つOリングを取り扱う。製品ラインナップとしては、耐熱ふっ素ゴムOリング、アーマークリスタルOリング、フリッドOリング、ニューラバフロンふっ素ゴムOリングなど。カタログもダウンロードできる。
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- Oリングの規格と材質、寸法