ポリエチレンテレフタレート(PET樹脂)の物性と用途、特性について
生産量の多い汎用エンプラの代表格、PET樹脂
PET樹脂は、熱可塑性のエンジニアリングプラスチックの一つで、透明性に優れており、シートやフィルム、ボトルの形状で使われることが多いプラスチックです。
ガスバリア性や薬品への耐性があり、密封にも適したプラスチック
強靭なプラスチックで、ガスバリア性や耐薬品性に優れています。耐酸、耐アルカリに優れているほか、耐油性もあります。常用する場合の耐熱温度は、形態によって異なり、延伸フィルムであれば200℃程度、無延伸シートで60℃、耐熱ボトルで85℃となっています。融点そのものは約255℃、耐寒性については−60℃程度までと言われています。寸法の安定性、電気絶縁性に優れており、耐摩耗性もよいエンプラです。
用途はフィルムとしては、絶縁材料、光学用機能性フィルム、磁気テープ、写真フィルム、包装フィルム等。シートとしては、惣菜・佃煮・フルーツ・サラダ・ケーキの容器、飲料カップ、クリアホルダー、各種透明包装(APET)、合成繊維、容器全般に使われています。
使われていることに気がつかないほど日常の製品に浸透しているプラスチック材料とも言えます。
物理的性質 | 密度(g・cm^-3) | 1.34から1.39 | |
---|---|---|---|
融点(℃) | 結晶性 | 245 | |
非晶性 | 73 | ||
透明度 | − | ||
吸水率(%)3mm、24h | 0.1から0.2 | ||
成形特性 | 成形温度範囲(℃) | 射出:240から275 | |
成形圧力範囲(kgf・cm^-2) | 703から1406 | ||
成形収縮率(%) | 2から2.5 | ||
機械的性質 | 引張強さ(kgf・mm^-2) | 5.9から7.3 | |
最大伸び率(%) | 50から300 | ||
圧縮強さ(破壊、降伏)(kgf・mm^-2) | 7.7から10.5 | ||
曲げ強さ(破壊、降伏)(kgf・mm^-2) | 9.8から12.6 | ||
引張弾性率(kgf・mm^-2) | 281から421 | ||
圧縮弾性率(kgf・mm^-2) | - | ||
曲げ弾性率(kgf・mm^-2) | 245から316 | ||
アイゾット衝撃値(kgf・cm・cm^-1) | 1.0から3.3 | ||
硬度(硬さ) | ロックウェル | M94から101 | |
ショア | - | ||
熱的性質 | 熱伝導率(10^-4cal・s^-1cm^-2)(K・cm^-1)^-1 | 3.6 | |
比熱(cal・K^-1g^-1) | − | ||
線熱膨張率(10^-5K^-1) | − | ||
熱変形温度(℃) 18.6kgf・cm^-2 4.6kgf・cm^-2 |
37.7から41 | ||
電気的性質 | 体積抵抗率(Ω・cm)(23℃、50%RH相対湿度) | − | |
絶縁強さ(短時間法)(3.18mm)/kV・mm-1 | − | ||
比誘電率(εγ) | 60Hz | − | |
MHz | − | ||
誘電正接(tanδ) | 60Hz | − | |
MHz | − | ||
化学的性質、耐薬品性 | 燃焼性、速度(mm・min-1) | - | |
日光の影響 | − | ||
弱酸の影響 | − | ||
強酸の影響 | − | ||
弱アルカリの影響 | − | ||
強アルカリの影響 | − | ||
有機溶剤の影響 | − |
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