プラスチックの難燃性|UL規格と酸素指数から見る難燃性の度合い
プラスチックの難燃性を見る指標として代表的なものに、UL94規格と、JISの酸素指数(OI)があります。プラスチックは電子部品、電気機器内の部品としても多用されるため、難燃性は材料の安全面を見る重要なパラメータの一つでもあります。種類によっても燃えやすさはかなり異なり、フィラーの添加によっても難燃化をはかったり、自己消化性の特性を付与したりすることも可能です。
JISで言う酸素指数とは、プラスチックに火をつけた状態で、その燃焼が持続するのに必要な最低酸素濃度をパーセンテージで示した指標です。一般的な空気の組成が酸素指数OIで見ると、20となるため、これを境目にこれよりも小さいものは可燃性でよく燃えるという見方ができます。
酸素指数 | 燃えるか燃えないか |
---|---|
22以下 | 可燃性。燃える。 |
23から27 | 燃えるが、自己消火性。 |
27以上 | 難燃性 |
一方、UL94規格もとてもポピュラーなプラスチックの難燃性を見るための指標です。燃焼試験のやり方に、水平燃焼試験と、垂直燃焼試験があり、以下のような燃えにくさについては以下のような目安となっています。
UL94 | 目安 |
---|---|
HB | 自己消火性はないが、遅燃性であることを示す。3mm以上の厚さの試験片なら、燃焼速度が40mm/min以下であることが求められる。 |
UL94 | 目安 |
---|---|
5VA | もっとも難燃性が高い。5回目に火を接触させた際に燃焼時間が60秒以下 |
5VB | もっとも難燃性が高い。5回目に火を接触させた際に燃焼時間が60秒以下 |
V-0 | 2回(各10秒間)、炎に接触させても、燃焼時間が10秒以下 |
V-1 | 2回(各10秒間)、炎に接触させても、燃焼時間が30秒以下 |
V-2 | 2回(各10秒間)、炎に接触させても、燃焼時間が30秒以下 |
プラスチックの種類 | 酸素指数 | UL94 |
---|---|---|
ポリアセタール | 15から16 | HB |
メタクリル樹脂(アクリル樹脂) | 17から18 | HB |
ポリエチレン | 18から19 | HB |
ポリプロピレン | 18から19 | HB |
ポリエステル | 18から19 | HB |
ポリスチレン | 18から19 | HB |
ポリアミド(ナイロン66) | 24から25 | V−2 |
ポリカーボネート | 24から25 | V−2 |
ポリ塩化ビニル | 28から38 | V−0 |
ポリフェニレンオキサイド | 27から29 | V−1 |
難燃EPゴム | 24から28 | V−1 |
架橋ポリエチレン | 34から36 | V−0 |
難燃クロロプレンゴム | 30から35 | V−0 |
ポリビニリデンフロライド | 40から44 | V−0 |
シリコーンゴム(RTV)※室温硬化型 | 26から32 | V−0 |
テトラフロロエチレン(重合するとテフロン) | 95 | − |
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