プラスチックの熱膨張係数、熱膨張率の一覧
下表にプラスチックの熱膨張係数、熱膨張率を一覧にまとめています。温度を上げたときに物がどれくらい膨らむかを示すパラメータが熱膨張係数や熱膨張率になります。このとき、温度上昇とともに長さの変化を示したものが「線膨張係数(線膨張率)」、体積の変化を示したものが「体積膨張率」と呼ばれます。線膨張率を3倍したものが体積膨張率となります。
プラスチックの熱膨張率は、金属に比べると一桁大きく、セラミックスに比べると二桁違います。それくらい熱によって長さや体積が変わってしまう材料です。元来、高温環境での使用にはあまり適さない材料ではありますが、それでも汎用プラスチックでも100℃前後の耐熱性は持ち合わせているものもあるので、部品として組み込んだりする場合はこの熱膨張を念頭において設計する必要があります。
プラスチック種類 | プラスチック記号 | 熱膨張係数 【x10-5/K】 |
---|---|---|
ポリエチレン(低密度) | PE-LD | 18から20 |
ポリエチレン(中密度) | PE-MD | 14から15 |
ポリエチレン(高密度) | PE-HD | 11から13 |
ポリプロピレン | PP | 5.8から10.2 |
ポリスチレン | PS | 6から8 |
アクリロニトリルスチレン(AS樹脂) | SAN(スチレン-アクリロニトリルプラスチック) | 2.9 |
アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンプラスチック(ABS樹脂) | ABS | 6から13 |
ポリアクリロニトリル | PAN | 10(<Tg【ガラス転移点】)、 16(>Tg) |
ポリ塩化ビニル | PVC | 5から7.3(>Tg)、 17.0(>Tg) |
ポリ塩化ビニリデン | PVDC | 19 |
ポリフッ化ビニリデン | PVDF | 12 |
ポリ三フッ化塩化エチレン | PCTFE | 4.7から5.3 |
ポリ四フッ化エチレン | PTFE | 10 |
ポリカーボネート | PC | 5.6 |
ポリメチルメタクリレート(アクリル樹脂) | PMMA | 4.5から7 |
ポリアミド6(ナイロン6) | PA6 | 5.9から10 |
ポリアミド66(ナイロン66) | PA66 | 8から10 |
ポリアミド610(ナイロン610) | PA610 | 9 |
ポリオキシメチレン | POM | 8.1から8.5 |
ポリエチレンテレフタレート | PET | 17.1(<Tg)、 39.4(>Tg) 線膨張率: 6.5(×10-5/℃) |
ポリスルホン(ポリスルフォン) | PSU | 5.2から5.6 |
ポリフェニレンオキシド | PPO | 2.7から3.1 |
セルロースアセテート | CA | 11から17 |
セルロースアセテートブチレート | CAB | 10から15 |
フェノール樹脂 | PF | 2.5から6.8 |
エポキシ樹脂 | EP | 4.5から6.5 |
不飽和ポリエステル樹脂 | UP | 5から10 |
ポリウレタン樹脂 | PUR | 10から20 |
ユリア樹脂 | UF | 2.7 |
メラミン樹脂 | MF | 4.0 |
スポンサーリンク
- 加工材料の性質と特徴(目次)へ戻る
- 「プラスチックの種類と用途、物性について」へ戻る
- プラスチック(樹脂)の種類と記号一覧表
- プラスチックリサイクルマークの数字の意味と種類
- 4大プラスチックとは
- バイオプラスチックの種類と原料|デメリットや課題はどこにあるか
- PFOAの使用と含有製品はいつから規制か|フライパンから繊維、撥水剤、泡消火剤まで
- プラスチックの人体への影響|プラスチックは安全なのか
- プラスチックの比重、密度の一覧表
- プラスチックの融点、耐熱温度の一覧表
- プラスチックの熱変形温度の一覧表
- プラスチックの難燃性|UL規格と酸素指数から見る難燃性の度合い
- プラスチックの引張強さの一覧表
- プラスチックの比熱の一覧表
- プラスチックの熱膨張係数、熱膨張率の一覧
- プラスチックの熱伝導率の一覧
- アロイ化とは
- 熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の違い
- フェノール樹脂(PF)
- ユリア樹脂(UF)
- メラミン樹脂(MF)
- 不飽和ポリエステル樹脂(UP)
- ポリウレタン(PU)
- ジアリルフタレート樹脂(PDAP)、アリル樹脂
- シリコン樹脂(SI)
- アルキド樹脂
- エポキシ樹脂(EP)
- フラン樹脂
- ナイロン6(PA6):ポリアミド(PA)の一種
- ナイロン66(PA66):ポリアミド(PA)の一種
- ナイロン12(PA12):ポリアミド(PA)の一種
- ポリアミドイミド
- ポリアセタール(POM)
- ポリカーボネート(PC)
- 変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE)
- ポリブチレンテレフタラート(PBT)
- GF強化ポリエチレンテレフタラート(GF-PET)
- 超高分子量ポリエチレン(UHPE)
- ポリフェニレンスルフィド(PPS)
- ポリイミド(PI)
- ポリエーテルイミド(PEI)
- ポリアリレート(PAR)
- ポリスルホン(PSF)
- ポリエーテルスルホン(PES)
- ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)
- 液晶ポリマー(LCP)
- ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、いわゆるフッ素樹脂
- ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、いわゆるフッ素樹脂
- ポリエチレン(PE)
- ポリプロピレン(PP)
- ポリスチレン(PS)
- アクリロニトリル−スチレン樹脂(AS樹脂)
- アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)
- ポリ塩化ビニル(PVC)
- メタクリル樹脂(PMMA)
- ポリエチレンテレフタラート(PET)
- ポリビニルアルコール(PVA)
- 酢酸セルロース(CA)
- プロピオン酸セルロース(CP)
- 硝酸セルロース(CN)
- ポリ乳酸(PLA)
- フラン-ホルムアルデヒド樹脂(FF)
- エチルセルロース(EC)
- フェノール-ホルムアルデヒド樹脂(フェノール樹脂)(PF)
- ポリスルホン、ポリスルフォン(PSU)
- ポリ塩化ビニリデン(PVDC)
- ポリフッ化ビニリデン(PVDF)
- アイオノマー樹脂
- FRP(繊維強化プラスチック)
- 炭素繊維メーカーの一覧
- プラスチックの黄ばみ除去について