S25C(機械構造用炭素鋼)の機械的性質や成分の一覧

2010年8月14日更新

S25Cは機械構造用炭素鋼のうち、いわゆる軟鋼のなかでは硬い部類に入る材料です。炭素含有量の代表値は、0.25%になりますが、実際に市販のものはこの限りではなく、メーカーによりけりです。一般構造部材の丸棒などにもよく使われます。加工には研削砥石、cBNともによく使われます。ケイ素の含有量は主に耐熱性向上に貢献しますが、多すぎると脆さにつながる要素でもあります。どの材料を使うかは物性だけでなく、市場でどれくらい出回っているか、入手がしやすいか、コストはどうかといった点が比較的大きな割合を占めるため、炭素鋼によっては安価であってもあまり見ることのない材料も多いかもしれません。

S25Cの化学成分(代表値)
材料記号 C Si Mn P S
S25C 0.22〜0.28 0.15〜0.35 0.30〜0.60 0.030以下 0.035以下
S25Cの熱処理温度(焼ならし、焼なまし、焼入れ、焼戻し)
種類 変態温度
(℃)
熱処理温度
(℃)
Ac Ar 焼ならし 焼なまし 焼入れ 焼戻し
S25C 720〜845 815〜730 870〜920空冷 約860炉冷 1次870から920油(水)冷
2次750から800水冷
150〜200空冷
S25Cの機械的性質(降伏点、引張強さ、伸び、絞り、硬度)
種類 機械的性質
熱処理 降伏点
N/mm2
引張強さ
N/mm2
伸び
%
絞り
%
衝撃値
(シャルピー)
J/cm2
硬度
HBW
S25C 焼きならし 265以上 440以上 27以上 - - 123〜183
焼きなまし - - - - - 121〜156

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