耐食鋳鉄とは

2013年7月22日更新

腐食や錆に強い鋳鉄が必要な際は、銅が添加されている鋳鉄や、高ケイ素鋳鉄、高クロム鋳鉄が使われることがあります。鉄をベースにしている鋳鉄は、元来、錆などの腐食に強いものではないため、何らかの合金元素を添加させて材質を変える必要があります。

ねずみ鋳鉄をベースにする場合、合金元素として銅を0.5から1%程度添加することで耐食性が改善されることが知られています。ただし、ねずみ鋳鉄が基となっている以上、限界がありますので、それ以上の耐食性が必要な場合は、他の合金鋳鉄を検討していくことになります。

耐食性に大きく影響する元素である「クロム」を多く含有する高クロム鋳鉄は、優れた耐食性を持つ鋳鉄品です。また、シリコンを15%前後含む高シリコン鋳鉄品も、合金鋳鉄の中でも特に高い耐食性を発揮し、腐食に対する耐性をもつ材料の一つとなります。

他に、耐熱鋳鉄の項目でも紹介したニレジストは、銅、クロム、ニッケルを含有する合金鋳鉄ですが、耐熱性だけでなく、希硫酸や希塩酸といった酸やアルカリ溶液に対しても耐食性が優れています。

鋳鉄であることにこだわらないのであれば、何に対する耐食性なのかにもよりますが、ニッケル合金、ステンレス鋼など鉄鋼系をベースにした材料でも候補となる材料はあります。

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