鋳鉄の耐熱温度はどれくらいか
鋳鉄は、鉄を溶かして固める製法をとった鋳物材料で、鋼を溶かして作ったものは特に鋳鋼といって区別されています。両者は炭素量、含まれている元素が違いますが、両者共に耐熱性に優れたグレードが存在します。
鋳鉄は、分類上、普通鋳鉄と高級鋳鉄(強靭鋳鉄)に分類されますが、普通鋳鉄の代表格である「ねずみ鋳鉄」は400〜500℃が連続で使用できる耐熱温度の限界となります。他の金属に比べると鉄鋼系は耐熱温度は高めとなりますが、それでも耐熱性が足りないという場合は、合金鋳鉄を検討することになります。鉄以外に、主成分として、ニッケルやクロム、シリコン、銅などを添加されている鋳鉄品です。
鋳鉄の種類 | 耐熱温度 |
---|---|
ねずみ鋳鉄 | 400から500℃ |
低クロム鋳鉄 | 750℃以下 |
高ケイ素鋳鉄 | 900℃以下 |
アルミニウム鋳鉄 | 1100℃以下 |
ニクロシラル | 950℃以下 |
ニレジスト | 500から600℃前後 |
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