ミーハナイト鋳鉄とは
ミーハナイト製法でつくられた鋳鉄を特に、ミーハナイト鋳鉄と呼ぶことがあります。別名、ミーハナイトメタルとも言います。あまり耳にしない言葉ですが、発明者の名前からとられています。規格上は、普通鋳鉄品のほか、高級鋳鉄(強靭鋳鉄)やダクタイル鋳鉄などにも使われることがありますが、ねずみ鋳鉄品のうち、ミーハナイト製法によるもののことを指すことが一般的です。特定の鋳鉄の種類というよりは、ミーハナイト製法によって管理・製造されている鋳鉄品のことを指します。
鋳物は、簡単に言えば、鉄を溶かした溶湯(ようとう)を、型に流し込んで固めて作りますので、同一品質でムラを極力なくすことが重要となります。特に各種部品や構造部材などに使われる金属材料であれば、機械的性質も一定品質で同一性が求められてきます。こうした要望に応える信頼性のある一つの管理手法として世界で普及している管理技術であり、このミーハナイトの名称を冠した鋳物製作所が日本にも多数あります。
現在この製法は、特許製法・管理技術となっており、一般の鋳鉄での製法と区別して扱われています。開発元はミーハナイトライセンシーとして、鋳物メーカーに、この製法・管理技術が守られていることを認定する証明書を発行しています。
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