SKUの意味と例

2022年1月23日更新

SKUまたはSKUs(複数形)はわかりやすく言うと、在庫するときの最小管理単位 (Stock Keeping Unit) を意味し、この単位で在庫表にも記録されていきます。つまり在庫表の品目の数のことです。数え方は1SKU、2SKUとなるため、在庫表に100品目載っているなら100SKUです。

SKUで在庫単位を任意に分類・分割する例

例として、サイズ違いでそれ以外は同じ服Aがあった場合、SKUを服Aという単位にしてサイズ違いで分けなかった場合、S(10枚)、M(10枚)、L(10枚)、XL(10枚)のそれぞれのサイズ違いがあっても、すべて合算した個数=合計40枚で服Aの在庫をカウントするというです。反対に分けるという事例では、在庫表にサイズ違いで掲載されますので、服Aだけで4SKUというカウントになります。

アパレル、スーパーといった小売等で類似やサイズ違い、正味量や入り数違いの製品が多岐にわたる分野での在庫管理手法では多量の物品の管理を品目ごとに行う「単品管理(individual SKU)」ではなく、ある程度のカテゴリーで行う部門管理(class of SKU)が管理工数減の視点からは有利であったことから、両者を区別して運用するために考え出された考え方です。

製造分野や工業分野では単品管理が原則

工業分野、製造業、B to Bが主体の取引ではすべての在庫管理は単品ごとのSKUで行うことが一般的であるため、そもそもこの概念には馴染みがないかもしれません。例えば、事実上同じものであっても品番や型番などが違えばそれは違うものとして、SKUが異なることになります。

あるいは見た目が同じでも、わずかでも仕様が違えば、それは異なる製品ということになり、在庫の管理も当然その単位で切り分けられます。これらを品番・製番(製品番号)や型番等で一意の番号などをつけて区別するのが工業分野での一般的な方法です。品番や型番が違うのに、同じ在庫としてカウントするというのは工業の世界では在庫カウントミスとなります。したがって、工場においては品番の番号体系と、このSKUが一致することが原則になります。

小売りでも在庫最適化するなら単品管理に軍配

一方、アパレルやスーパーなどの小売分野では工場で作り分ける必要がなく、倉庫業を行っているわけでもないので、多岐にわたる同一品を一点ずつすべて別のものとして管理しなくても支障はない、という考え方もあります。小売りの場合、例えば同じ柄の服のサイズ違いのものを部門管理として一種類の製品として扱っていることや、もっと大きな単位で一種類として分類されていることもあります。

ただし、適正在庫を把握し、経営やビジネスに寄与するよう在庫運用するのであれば、SKUの部門管理というのは工数との相談になりますが、あまりよい方法ではありません。

前述の例で、S(10枚)、M(10枚)、L(10枚)、XL(10枚)の服があったとして、SKUがサイズごとに割れている場合は、それぞれで在庫数の把握ができますので、Sサイズのものが在庫回転期間がきわめて長く、ほとんど売れないものであれば、この分は在庫を減らしてもよいという判断が可能です。合算で40枚の在庫として管理していると、どのサイズをいくつ補充発注してよいのかわからなくなるという問題が出てきます。

とはいえ、こうした服が10000種類あった場合、在庫表での管理が10000品目となるか、4サイズで分けて40000品目になるかというのは管理コストに大きく影響します。もっといえば、色違いが6色あって、サイズが5種類という場合、すべて分けて管理すれば30種類です。10000品目あるなら、これが30倍の300000品目にもなります。なぜ部門管理という形でSKUをまとめないといけないことがあるかイメージがつくかと思います。

ただし実務上は現場の多くで正味量(100グラム入り、500グラム入り)や販売入り数(10個入り、5個入り、あるいは複数の組み合わせのセット商品)、包装形態の違い、商品名やグレードが違う場合、メーカー希望小売価格が違う場合、色が違う場合などはSKUを分けて運用されているケースが散見されます。マーケティング上、需要予測が異なるものや売れ行きの傾向が異なるという場合、仕入れ単位が異なるという場合は、SKUもそれにあわせている事例が多いようです。

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