在庫の横持とは

2021年11月21日更新

横持(よこもち)とは、自社の棚や倉庫にある在庫を同じく別の棚や倉庫に移動させることを意味しています。物流用語の一つで、会社によっては客先への納入のための輸送と分けて、構内運送と呼ぶこともあります。在庫管理の分野では、同じ倉庫内で物品を移動させることを表現する場合もあります。倉庫間だけでなく、自社の工場在庫の保管場所から物流拠点への移動など、社内在庫の移動輸送を横持ちと呼ぶ場合もあります。

横持ちは、自社が通常契約している倉庫やデポでは在庫があふれて入りきらなくなった場合に、外部倉庫を借り、その外部倉庫と元からの契約倉庫の間の輸送を行うときにも使われる表現です。横持ちにかかるコストを、横持ち費用と呼んだりもします。

在庫移動に伴う横持ちというのは時にムダな動きの一つで、倉庫と倉庫の間を移動させるというナンセンスなことが必要になるのは、ひとえに場所がない、管理に問題がある、特定の倉庫に作業や出荷を集約させる必要があるが在庫は集約させられないといった事情によるものです。

倉庫間や在庫の置き場間で定期便がない場合は、特便という形でいわゆるチャーター便を移動のたびに仕立てる必要があり、割高な輸送費となります。仮に横持ちのためだけに定期便をその区間で作ってしまうと、それも毎月かかる費用としてあがってきますので、コスト増になります。 場所が同じ倉庫であっても、リフトを使って棚から棚へいくつもの商品を移動させるのはかなり工数のムダとなってしまいます。

製品ごとの在庫の置き場を決め、例えばめったに出荷のないものや、1週間に1回の出荷といったものをまとめて外部倉庫に移動させるのであれば、そこからの出庫は最小のコストでできるよう、なるべく頻繁に出荷がないものばかりをかためて保管するといった方法もコスト低減方法の一つです。物流や在庫管理分野でコスト削減(CR)を検討する場合、横持ちを集約したり、ムダな横持ちを減らしたりするルートへ変更することも効果があります。

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