ヘッドランプのメーカー|登山、釣り、洞窟探検、非常用、アウトドア用のヘッドランプ
ヘッドランプは、登山や夜間での作業用として頭にバンドで固定して用いるタイプのランプのことを指します。
LEDヘッドランプが主流
近年は光源としてLEDが用いられるようになっており、こうしたハイパワーLEDの登場で、電池寿命が延びたため、重い交換用の電池を大量に持っていく必要もなくなってきています。登山用や釣りなどの早朝・夜間など日が昇る前・沈んだ後での行動が想定されるアウトドア用として販売されているヘッドランプの多くは、小型ですが、単4電池で動くタイプのものが主流です。
ヘッドランプのよいところは、両手を使えるため、登山などのアウトドアでは日帰りを想定していたとしても、必須アイテムの一つといえます。また、バンド付きのヘッドランプでも、下において周囲を白い布や光を通すシートなどで囲えば、ランタンのような使い方もできます。
ヘッドランプの照射距離
ヘッドランプの光源は、昔は豆球だったのですが、現在主流となっているLEDは熱を発せず、超寿命であり、さらに構造上(エポキシ樹脂で固定されているので)ある程度の衝撃に強いなど登山やトレッキング、アウトドアスポーツに適した性能を持っています。照射距離も、LEDは以前は短かったのですが、最近では50メートル程度のものから、80メートル、100メートルといった光量の強いものも出てきています。
ヘッドランプの性能を見るためのパラメータ
大切となるのが「ルーメン」「照射距離」「電池寿命」の3つの指標です。場合によっては、防水性、耐寒性、耐衝撃性なども選択のポイントです。暗い中、雨も降っており、どうしても移動が必要な場合、防水性のないヘッドランプでは心もとないといえます。また気温低下と共に使えなくなった、というのもヘッドランプが必要となるような状況を考えればあって欲しくないことです。
ルーメン
光束とも言われますが、人の目でどれだけ明るく見ることができるかを示すパラメータです。光源の強さと言い換えてもよいでしょう。
照射距離
これは、光源が最も長く届く距離を示しているので、細い一本の光でもその距離へ達することができれば、表示できる距離です。
電池寿命
照射モードに段階があるものなら、フルパワーで使った場合、何時間電池がもつのかという指標です。電池寿命を表示するタイプのものもありますが、残時間まではわからず、残りわずかになった場合にアラートが点灯するというものです。
登山やトレッキング、アウトドアではどの程度の照射距離が必要か
20mの照射距離のヘッドランプでは、遊歩道のような整備された道ではないと厳しいという意見もあります。日中、通ったことのある道でも、月や星以外の光のない山道では、夜間になると全く道が見えなくなります。
山など照明などがまったくない状況だと、目の前に手をかざしても全く見えないレベルの「闇」に包まれてしまいます。このため、照射距離が短いものやランタンのようなものであっても、荷物の出し入れやトイレなどに行く際には重宝します。逆に、照明がなければ何もできなくなることを肝に銘じておく必要があります。
万が一、予定が狂って山で日が暮れてしまった場合は、下山には50mクラスは必要ですが、これは道が割と明確な登山道がある場合です。悪路や見分けがつきにくい、月が出ておらず他に光源がないといった条件になると、100mクラスやそれ以上のものが望ましいです。
通常、登山などのアウトドア用で使われるほか、業務用における夜間作業用のものがありますが、ホームセンターなどの廉価品には、上記の3指標のパラメータが記載されていなかったり、何かが欠けていますので、こうした非常時を想定したものについてはしっかりしたメーカーのものを選びたいものです。 小型で軽いものがほとんどなので、予備のものを持っていてもよいでしょう。
登山用のヘッドランプメーカーとしては三大メーカーともいえるのが、ペツル、ブラックダイヤモンド、プリンストンテック。登山用品を扱う専門店であればたいてい取り扱っています。他、コンパスでおなじみのシルバや軍・警察・消防・レスキューなどでの採用実績のあるシュアファイア、ストリームライトなども産業用としてはよく知られます。
- ペツル(PETZL)
- 産業用ヘッドランプ、登山用などのスポーツ用ヘッドランプの双方を製造販売するフランスのメーカー。創業者が洞窟探検(ケイビング)を行っており、古くからこの用途でのギアを製造・開発。現在では、業務用・スポーツ用のそれぞれでクライミングに必要な用具、アンカー、アセンダー、ディセンダー、クランプ、ハーネス、ヘルメット、プーリー、ピッケル、カラビナ、ビレイデバイス、ランヤードなどを幅広く手がける。
- ヘッドランプとしては、多目的用途のティカ2、ティキナ2、ティカXP2、ティカプラス2や、山などでの夜間行動を前提にしたハイパフォーマンスタイプであるNAO、ミオRXP、洞窟探検などのケイビング用のデュオLEDシリーズ、フィッシング・ハンティングの対応モデルであるタクティカプラスなどのシリーズがある。日本ではクライミングギアや高所作業用・レスキュー用ロープ、ウインチ、クライミングギアなどを扱うアルテリアが輸入する。
- ブラックダイヤモンド(Black Diamond)
- 米国の総合登山用品メーカー。ヘッドランプ用としては、200ルーメンのスペックを持つアイコンや、バッテリーが本体と分かれているアイコンポーラー、USB充電式のリチウムポリマーバッテリー採用のスプリンター、専用電池装着状態のままでもリチャージ可能なリボルト、低温環境・防水性能に特徴のあるストーム、多機能型のスポットなどのラインナップがある。
- 日本ではロストアロー社が輸入元となっており、個別の製品紹介が日本語で読める。
- プリンストンテック(Princeton Tec)
- 米国にある30年以上の歴史を持つヘッドランプ、フラッシュライト(懐中電灯)の専門メーカー。スキューバ用、アウトドア用、バイク用(自転車用)、産業用、軍用などのヘッドランプの製造・販売を手がけている。苛酷な環境での使用が想定されるシーンでの製品・開発を手がけており、米軍へも納入する。
- ヘッドランプの主な製品としては、APEX(アペックス)、APEX PRO(アペックスプロ)、BOT、BYTE、CORONA、EOS、EOSII、EOS TACTICAL、FRED、FUEL、QUAD、POINT−MPLS、REMIX、YUKON HL、SWITCH−MPLS、VIZZなどがある。アペックスは、プロフェッショナルシリーズとしては最も明るく大きいタイプのヘッドランプで200ルーメンの光束を持つ。
- パナソニック
- 同社の販売するヘッドランプの一覧表が掲載されており、明るさ、連続使用時間、光源、電源、重さ、防水性、寒冷地適用の有無(−20℃)、調光機能といった機能の比較ができるようになっている。
- シュアファイア(SUREFIRE)
- フラッシュライトやヘッドランプの専門メーカー。軍や警察などへの納入実績があり、軍用のウェポンライトなども製造販売する。ヘッドランプというよりは、フラッシュライト(手持ち式の懐中電灯)のブランドイメージのほうが強いが、頑丈な作りやムラのない光などに定評がある。日本国内でのオフィシャルサイトはこちらで見られる。
- シルバ(SILVA)
- コンパスのトップメーカーとして有名なスウェーデンのメーカーだが、歩数計、トレッキングポール、ウォーキングポール、ヘッドランプ、気象計器、双眼鏡などアウトドア・オリエンテーリング用品のメーカーでもある。ノルディックスポーツ社のサイトに同社のヘッドランプ製品の紹介が掲載されている。
- ストリームライト(STREAMLIGHT)
- 米国のフラッシュライトのメーカー。産業用途・工業用途での警察、消防、レスキューといった保安を担うプロ用としても採用されている。ヘッドランプも製造・販売。
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