特定規模電気事業者(PPS)の一覧|pps事業者、特定電気事業者の一覧

2014年12月8日リンク更新

PPSとはPower Producer and Supplierの略で、PPS事業者とはこうした大手電力会社以外で電気を売買する業者のことです。一般家庭への電気の販売が国内で認められているのは法律で定められた「一般電気事業者」といわれる10社のみですが、電気事業制度の改革に伴い(2000年の改正電気事業法)、電力の小売りも一部自由化されています。特定電気事業制度とは、こうした電力の販売を一定以上の電力量を使う需要家への販売を認めたものです。

電気を自由に売買できる時代へ

こうした一定以上の電力をまとめて販売することが認められてから10年以上が経過し、経済産業省の「電力システム改革専門委員会」では2012年5月、電力小売りについて家庭向けを含め、全面的に自由化することで一致する答申を出しています。

こうした流れの中で、発電施設を持たない小規模な事業者の参入も増加し、日本卸電力取引所や他メーカー、需要家、ユーザーから電力を買い取り、それを転売する形をとる業者が新規参入してきています。簡単に言えば、誰でもなれてしまう側面があるため、ここ数年で急速に増加しています。

基本的には電気を安く買いたいという要望に応える形で出現した事業体ですが、中には原子力発電による電気ではなく、風力発電による電気や他の方法によって発電された電気を買いたいという人もいます。

諸外国の中には、風力発電による電気を買いたい、太陽光発電による電気を買いたい、あるいは地熱発電の電気が欲しいといった選択を消費者がある程度できる国もありますが、日本の場合は電気の出所までを明確にした売買は実現していません。現実的には、大手10社の電力会社や自前の発電設備を持つ大メーカーからの余剰電力を買うことができなければ、電力売買のマーケットも厳しいものがあります。

一般家庭への電気販売が自由になれば、地産地消に近い形の地場の電気事業者が出てきたり、独自の発電設備などを用いた出所のはっきりした電気を購入したりということができるようになる時代が来るかもしれません。

現在の特定規模電気事業者、PPS事業者の電気販売

pps事業者から電気を買いたいと思っても、一部の大工場以外無関係のように感じられるかもしれませんが、一般家庭でもこうした新規参入の電気事業者から電気を購入している例があります。例えば、マンション単位で契約している、学校単位で契約している等の例です。従来は使用最大電力が2000kW以上、20000V以上という特別高圧の顧客を中心にしていましたが、現在は需要規模が6000V以上で500kW以上、50kW以上の高圧の領域でも自由化されており、マンションやスーパー等様々な供給先へ電力が販売されています。この流れは将来的にさらに小口のユーザーへも対応可能になっていくとされます。

実は一部の自治体、小中学校、高校、経済産業省までもがこうした特定規模電気事業者から電気を購入しています。一番の理由は、電気代の安さで、程度の差はありますが、、北海道電力梶A東北電力梶A東京電力梶A中部電力梶A北陸電力梶A関西電力梶A中国電力梶A四国電力梶A九州電力梶A沖縄電力鰍フ一般電気事業者に分類される10社よりも料金が安いとされます。他にも、店舗や工場、ホテル、病院など様々な施設・場所で導入されています。特定規模電気事業者は現在国内には45社あるとされます。

 
エネット
自社所有の発電所、工場などで余剰となっている発電設備等から電気を電力会社の送電網を使用して顧客へ供給する特定規模電気事業者。エネルギーコストの削減とより豊かなサービス提供を目指す。300万キロワット以上の電力を供給し、特定規模電気事業者ではシェア50%以上を持つとされる。NTTファシリティーズ、東京ガス、大阪ガスの三社が共同出資する。
ダイヤモンドパワー
三菱商事を株主とする特定規模電気事業者。東京電力や中部電力の供給エリアを主な供給先とする。今夏の東京電力による輪番停電に伴い、供給はこの計画停電に従って運用される。
イーレックス
関東、九州、東北地区の企業や官公庁への供給実績を持つ特定規模電気事業者。日短エナジーとして設立。Nittan eREX Company Limited、日立製作所、東芝、前田建設工業を主要株主とする。本社は東京都中央区。
丸紅
総合商社として、電力の供給事業も手掛けている。
新日鉄エンジニアリング
同社ではエネルギープラントのエンジニアリングに関する技術力、国内最大規模の自家発電設備の運営経験を活かし、顧客のニーズにあったエネルギーソリューションを提案。電力小売り事業の主力電源は、フロンティアエネルギー新潟/新潟発電所。また風力発電事業も手掛ける。
サミットエナジー
住友商事を株主とする特定規模電気事業者。発電事業も手掛けており、設備としては、グループ会社による火力発電所と風力発電所を運営。また電気の買い上げも行っている。
サニックス
福岡市に本社を置く特定規模電気事業者。事業としては、環境資源開発、エスタブリッシュサニテーション(設備保全、衛生管理)、ホームサニテーション(シロアリ駆除、太陽光発電)等を手掛けている。
エネサーブ
大和ハウスグループの特定規模電気事業者。総合エネルギーサービス業を目指す。エネサーブの発電所(滋賀県大津市、京都府綾部市、福岡県嘉穂郡など)から低価格で電力を供給。
JX日鉱日石エネルギー
2008年度に電力小売事業(PPS)の主力発電所となる川崎天然ガス発電所(80万kW、引取り51%)の運転を開始。燃料・発電・供給までの一貫体制で供給。
F-POWER
ファーストエスコの電力ビジネス事業を承継し誕生した電力小売事業者。電力の売買業務及び売買の仲介業務、発電及び電力の供給業務、蒸気、温水、その他熱エネルギーの供給業務並びに送配電業務を手掛ける。関連会社として、中袖クリーンパワー、新潟ニューエナジー、G-Powerがある。
スペクトルパワーデザイン
需要家の電気料金削減支援事業、発電所所有者支援事業、海外電力開発プロジェクト支援事業などを電力事業として手掛ける特定規模電気事業者。
日本テクノ
電力取引事業の他、キュービクル常時監視システム販売および電力コンサルティングや高圧電気設備保安管理・点検業務、電気料金自動検針事業なども手掛ける。
JENホールディングス
伊藤忠エネクスグループの特定規模電気事業者。エネルギーの地産地消を目指す。

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