太陽電池メーカーの一覧
太陽光発電には欠かせない太陽電池にはセルと呼ばれる光エネルギーを直接電力に変換する機器がついています。これらのセルをパネル状に並べたものをモジュールと呼びます。モジュールには建物に後から設置するタイプだけでなく、建材に元から組み込まれているものもあります。一般に住宅用と産業用のものが市販されています。
太陽光発電を導入するには、モジュール(太陽光を電気に変換するパネル部分)、パワーコンディショナ(太陽光で発電された直流電力を交流電力へ変換する)、接続箱(モジュールで発電された電気を一箇所へ集め、パワーコンディショナへ送る)、モニター(発電状況を表示するモニター)が必要となりますが、太陽電池モジュールを手がける多くのメーカーはこれらをすべて提供します。停電中でも日中は電気を使えたり、余った電力を売ったりすることもでき、多くの国で住宅用としても広まっている電力源の一つです。太陽電池は大別すると、結晶型、薄膜型、シリコンを使わない化合物型などがあります。
補助金や太陽電池で作られた電力の買い取り容量など国の政策と密接に関わる分野でもあり、より普及率の高い国は導入することで何らかのメリットがあるよう策を講じていることが多いようです。
2009年度では太陽電池メーカーを規模別に見ると米国のファーストソーラーが首位、中国のサンテック、日本のシャープ、ドイツのQセルズ、中国のYingli solar、JA Solar、日本の京セラ、中国のTrina solar、米国のSun power、台湾のGintech社がこれに続きます。
- 三菱電機
- 三菱住宅用太陽光発電システムを紹介している同社サイト。太陽光発電についての情報が豊富に掲載されている。製品としては、太陽電池モジュールと、パワーコンディショナ、接続箱、パワーモニターがある。太陽電池モジュールとしては、単結晶タイプ(200W)と多結晶タイプ(190W、185W)があり、住宅用としては珍しくバス線本数を4本にした電極セルを採用。また防汚、塩害、耐積雪強度の向上等に特徴。
- Qセルズジャパン
- Qセルズはドイツに本拠地を置く世界最大級の太陽光発電メーカー。太陽光を電気に変換するモジュール変換効率は14.41%と業界でもトップクラス。セルは多結晶タイプで、最大出力235Wと240Wのものがある。パワーコンディショナの変換効率は94.5%、低騒音の設計に特徴。
- カナディアン・ソーラー・ジャパン
- 大手太陽電池モジュールのメーカーであるカナディアンソーラーの日本法人。シリコンインゴットから、ウェハー、セル、システムに至るまで一貫した生産体制を持ち、世界に展開する。住宅用の太陽光発電のほか、大規模発電所にも実績がある。住宅用としての太陽電池モジュールは、単結晶と多結晶それぞれあり、最大出力は双方ともに180W。パワーコンディショナの電力変換効率は94%。
- カネカ
- 大手総合化学メーカーで、化成品、機能性樹脂、発泡樹脂製品、食品、医薬品、医療機器、電子材料、合成繊維の製造・販売を手がける。太陽電池としては、ハイブリッド太陽電池「GRANSOLA(グランソーラ)」を販売。薄膜シリコン太陽電池で、一般住宅用、公共・産業用として使え、遮光ガラスのようにして使えるシースルータイプの太陽電池もある。アモルファスシリコンと薄膜多結晶シリコンを交互に積層した複合タイプは、電気に変換可能な波長域の幅が違うため、発電実効面積で発電効率約30%アップ(同社比)を実現した。
- 京セラ
- 電子機器、情報機器、通信機器、太陽電池、セラミック材料を手がける大手メーカー。太陽光発電システムとしては、「サムライ(公称最大出力46W、62W、77.5W)」「エコノルーツ タイプU(公称最大出力186W)、「エコノルーツ タイプR」(183W、186W)、「エコノルーツ タイプG」(186W)、「ヘイバーン」(53W、42W)のラインナップがある。デザイン性や設置スペース、レイアウト性などを重視したタイプや瓦と一体になったものなど特徴にあわせて選べる。他に、ソーラー発電モニタ「エコノナビット」やパワーコンディショナ、接続ユニットも取り扱う。産業用では、トヨタプリウスにも一部グレードで採用されている。
- クリーンベンチャー21
- 球状太陽電池の開発・事業化に取り組む太陽電池メーカー。モジュールは大型のものでは130W、112Wの出力、中型では54W、27Wの出力を持ち、ほかに小型や曲面に使えるフレキシブルモジュール、ダブルガラスモジュールなど特徴ある製品を製造開発。球体の粒形状をしている球状シリコンも扱う。同社の集光型球状太陽電池とは、シリコンを球状にしたものを用いているため、生産性が高く、製造コストが従来の5分1、シリコン原材料1Wあたりの使用量も5分の1、フレキシブル対応、変換効率が高く光劣化がない等の特徴を持つ。
- サンテックパワージャパン
- サンテックパワーは中国最大手の太陽電池メーカー。同社は2008年に傘下となる。住宅用の太陽光発電システムとしては、変換効率の高い単結晶セルを使用した「オンザルーフ」シリーズ(公称最大出力190W、変換効率14.9%)があり、25年の長期保証を行っている。屋根置き型だけでなく、建材一体型のモジュールもある。産業用の太陽光発電システムとしてはAdシリーズ、Udシリーズや建材一体となったLight Thru、See Thruがある。
- 三菱重工
- 薄膜型太陽電池を手がける。高温時の出力低下が少なく、電力需要の逼迫する夏場に威力を発揮するタイプで、結晶型太陽電池と比べ、年間発電電力量(同一出力比)が多い点に特徴がある。微結晶タンデムタイプで、公称最大出力は130W。
- 三洋電機
- HIT太陽電池のブランドを持つ高出力、高効率を特徴とする太陽電池モジュールの製造販売を行っており、最大出力はどれも200W以上となる。製品例として紹介されているNシリーズで、公称最大出力230W、セル変換効率20.7%、モジュール変換効率17.9%となっている。他にNKHシリーズやBシリーズがある。また住宅用のパワーコンディショナとしては、電力変換効率94.5%となっている。接続箱、カラーモニターも取り扱う。 なお、産業用の太陽光発電システムについては、こちらのサイトで紹介されている。HITとは「Heterojunction with Intrinsic Thin-layer」の略。Heterojunctionはアモルファス(非晶質)と結晶との接合を表し、Intrinsicとは真性=i型半導体、Thin-layerは薄膜を意味している。
- シャープ
- 大手総合家電メーカー。同社は太陽電池に関しては1959年から開発を着手し、50年以上の歴史を持つ。人工衛星用や灯台などの過酷な環境で用いられる太陽電池の実績や世界で初めて太陽電池の生産量の累計3.1GWを達成している。同社の太陽光発電システムの事業は住宅用と産業用それぞれ別のページで紹介されている。産業用の太陽光発電についてはこちら。住宅用としてはサンビスタ(SUNVISTA)のブランドがある。多結晶モジュールの標準タイプとしては公称最大出力は165W、163W、156W、パワーコンディショナは高効率のタイプで94.5%のものがある。
- ソーラーフロンティア
- 昭和シェル石油の太陽電池メーカー。新世代型薄膜太陽電池(CIS太陽電池)の研究開発、生産並びに販売を手がける。CIS太陽電池モジュールは、公称最大出力140W、130W、85W、80Wのものがあり、パワーコンディショナは電力変換効率94.5%となっている。モジュール出力は20年保証。
- トリナ・ソーラー・ジャパン
- 中国の大手太陽電池メーカー、Trina solarの日本法人。太陽電池モジュールとしては、住宅用、産業用ともに扱い、セルが5インチ単結晶、72枚のもので最大出力180W、185W、八角形単結晶72枚のもので190W、195Wとなっている。
- ソプレイソーラー
- インゴットからウェハ、セル、太陽電池モジュールの一貫生産を手がける中国のメーカー。最大出力280Wの超大型のモジュールから5Wの小型モジュールまで様々なサイズのものを製造販売している。
- 長州産業
- 1980年創業のハイテク指向の住宅機器メーカー。太陽電池モジュールの製造、住宅用・産業用の太陽光発電システム、ソーラーシステム、家庭用給湯機器の製造・販売、半導体製造装置、液晶パネル製造装置、メカトロ機器の設計・加工・組立・据付・メンテナンスまでの一貫業務などを事業内容とする。単結晶太陽電池モジュールとしては、軽量コンパクトなB1シリーズ(公称最大出力155W、変換効率14.2%と公称最大出力215W、変換効率14.8%)がある。
- 富士電機
- 太陽電池セル事業についてはZinniaTek Limitedの100%子会社であるFWAVE株式会社に譲渡。大手電気機器メーカー。太陽電池モジュールとしては、鋼板一体型・軽量型、フレキシブル型がある。小型・軽量、大容量でもコンパクトなパワーコンディショナや表示装置も取り扱う。古河グループの中核企業。
- フジプレアム
- PDP用光学フィルターや太陽光発電システムを手がけるメーカー。独自の太陽電池ラミネート技術によって製造された次世代太陽電池モジュールに特徴。さまざまな建築構造物に必要なガラス構成の中に自由な配列で封止可能。モジュールの最大出力は195W、200Wのものがある。
- ホンダソルテック
- 本田技研グループの太陽電池メーカー。太陽光発電システムに必要なモジュール、パワーコンディショナ、表示器、接続箱を製造販売。太陽電池モジュールの最大出力は、120W、125W、130Wのものがある。同社の太陽電池はシリコンを使わないCIGS薄膜太陽電池で、銅(Copper)、インジウム(Indium)、ガリウム(Gallium)、セレン(Selenium)を原料とした化合物半導体を発電層に使った太陽電池。製造時の消費エネルギーや排出CO2が少ない点に特徴。
- YOCASOL(倒産)
- 福岡県大牟田市にある太陽電池モジュールの専業メーカー。結晶系、薄膜系等、多様な太陽電池パネルの生産に対応。製品としては、6インチ単結晶セルを使用したPEAシリーズ、PCAシリーズ、6インチ多結晶セルを使用したPCBシリーズ、5インチ単結晶セルを使用したLDAシリーズ等がある。社名の読み方は「ヨカソル」で、九州方言の「よか」とスペイン語で太陽を意味する「SOL」に由来する。
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