ITOフィルムとは
ITOとは、Indium Tin Oxideの略で、日本語は酸化インジウムスズとなります。こうした名前の物質が存在するわけではなく、これは酸化インジウムと酸化スズを混合した物質になります。したがって、cas番号(cas number)で検索しても出てきません。
ITOは薄膜にした際に、透明でありながら電気を通すという性質を持つため、これをフィルムに用いたものがITOフィルムで、抵抗膜式のタッチパネルや透明電極としてディスプレイや光学系の用途で多用されています。
平たく言えば、iPhoneなどのタッチパネル部分に指で触れるとその部分の電気の流れが変わります。つまり、ディスプレイの内部にITO膜があることで、電気が通ったかどうかを感知することができます。これにより、「操作」が行うことが可能となります。
ITOの元となる原料はインジウムと呼ばれるレアメタルなのですが、これは亜鉛鉱山から採鉱されます。量が少ないだけでなく、投機対象ともなることがあり、以前に高騰により入手が困難になったことがあります。
なおITOフィルムの製造方法としては、真空蒸着やスパッタなどが良く使われます。
薄膜の特性【参考】
主として光学膜や機能膜として用いられる薄膜の代表的な特性、物性について紹介します。
酸化物の薄膜
- Al2O3(酸化アルミニウム、アルミナ)
- CeO2(酸化セリウム)
- Cr2O3(酸化クロム)
- Ga2O3(酸化ガリウム)
- HfO2(酸化ハフニウム、ハフニア)
- NiO(酸化ニッケル)
- MgO(酸化マグネシウム、マグネシア)
- I.T.O(In2O3+SnO2)酸化インジウムスズ
- Nb2O5(五酸化ニオブ)
- Ta2O5(五酸化タンタル)
- Y2O3(酸化イットリウム、イットリア)
- WO3(酸化タングステン)
- TiO(一酸化チタン)
- Ti3O5(五酸化チタン)
- TiO2(二酸化チタン、チタニア)
- ZnO(酸化亜鉛)
- ZrO2+TiO2(複合酸化物)
- ZrO2(酸化ジルコニウム、ジルコニア)
フッ化物の薄膜
- AlF3(フッ化アルミニウム)
- CaF2(フッ化カルシウム)
- CeF3(フッ化セリウム)
- LaF3(フッ化ランタン)
- LiF(フッ化リチウム)
- NaF(フッ化ナトリウム)
- MgF2(フッ化マグネシウム)
- NdF3(フッ化ネオジウム)
- SmF3(フッ化サマリウム)
- YbF3(フッ化イッテルビウム)
- YF3(フッ化イットリウム)
- GdF3(フッ化ガドリニウム)
窒化膜
炭化膜
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