S60CMの材質、成分、硬度、機械的性質|ミガキ鋼であるS60CMの特徴
S60CMは、S60Cの名称で知られる炭素鋼をみがき特殊帯鋼として規格化した材料です。熱間圧延したままのものではなく、冷間加工により精度よく仕上げられ、表面に美麗なものが必要であれば、みがき鋼が検討候補の一つとなります。元となるS60Cは、ばね用冷間圧延鋼帯としても規格化されています。チェーン部品、木工用手引き鋸、安全靴、ばね、ワッシャー、事務機部品、座金などが用途として挙げられます。炭素工具鋼のSK5Mと比較して炭素量は低くなりますが、かわりにマンガン量が多いため、焼入れ性が期待できます。
S60CMの機械的性質
引張強さや降伏点、耐力といった機械的性質については、みがき鋼となる前の材料(末尾のMを除いた材料記号ごと)にそれぞれ規定があります。
S60CMの板厚や長さ、幅の許容公差
いずれも「みがき特殊帯鋼」として規格となっています。みがき帯鋼のサイズ別の許容公差についてはこちら。
S60CMの成分、材質
鉄鋼材料の種類 | C | Si | Mn | P | S | Cu | Ni | Cr | Ni+Cr |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
S60CM | 0.55から0.65 | 0.15から0.35 | 0.60から0.90 | 0.030以下 | 0.035以下 | 0.30以下 | 0.20以下 | 0.20以下 | - |
S60CMの硬度
種類 | 焼きなまし後の硬度 | 冷間圧延したままの硬度 |
---|---|---|
ビッカース硬さ (HV) |
ビッカース硬さ (HV) |
|
S60CM | 190以下 | 190から280 |
「JIS G 3311 みがき特殊帯鋼」に規定のある材料記号
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