廃棄伝票とは
廃棄伝票とは、廃却伝票とも言いますが、製品・商品、部品、材料等を廃棄する場合に使用する伝票です。経理上は、この伝票発行に基づいて廃却損などの処理を行うことになります。言い換えると、この伝票なしで在庫の現物を捨ててしまうと、経理上は捨てたことにならず、在庫が残ったままになりますので、実地棚卸をした際に帳簿上の在庫(棚卸資産)と、現物の在庫との間に差異が発生することになります。棚卸でいう出欠につながります。
一般に、廃棄伝票に記載すべき事項は、次の通りとなります。複写式のものなら、発行部門の控えと経理部門へ回付する原紙とを分けて運用すると簡便です。
- 廃棄対象となる物品(名称や、製造番号、製品番号、ロット番号など物品を特定できる情報)
- 個数や重量などの数量情報
- いつ廃棄したかの日付情報
- もし稟議書等がある場合、会社の資産を捨てることでもあるため、社内稟議によってしかるべき決裁を経たことを記載する為、稟議書No.等の記載
- 不動在庫か否か
- 廃棄承認者の押印
伝票の例としては下図のようなものがあります。
社内の仕組み上、在庫を廃棄する場合はまず稟議書によってその承認を得る、それから現物を廃却する、廃却した際に廃棄伝票や廃却伝票を発行して経理へまわす、経理で廃却損としての会計処理を行う、という手続きを滞りなく進められることが必須です。
これが例えば、稟議書は発行したが現物を廃棄していない、あるいは現物を廃棄したのに廃棄伝票を発行していない、逆に現物を廃棄していないのに廃却伝票を発行してしまった、といった不適合が発生すると、棚卸資産が狂うことから会社の帳簿がおかしくなります。
以下の1〜4が順番に抜けもれなく進行する仕組みがあることが前提となります。
- 1.廃棄対象の稟議書の発行と承認、決裁
- 2.現物の廃却
- 3.廃棄伝票の発行
- 4.経理での廃棄処理
万が一、廃棄伝票が発行されているのに現物が残っているというような場合、実地棚卸で計上してしまうと出量(帳簿上の在庫よりも実地棚卸の在庫のほうが多い)につながる場合、現物に「棚卸除外」のエフ等を厳重につけて間違えてカウントされることを防ぐことも行われます。
何にせよ経理部門との連携が必要になるので、こうした事態を見つけた場合や速やかに情報共有し対処していく必要があります。
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