超仕上げ砥石メーカーの一覧
超仕上げ砥石とは、数ある砥石の中でも限られた特殊用途のもので、GCやWA,CBNを砥粒とするスティック、ブロック形状を持つ砥石の総称です。 研削砥石に似ていなくもないですが、基本的に超仕上げ砥石は研磨する際に回転しません。専用機に取りつけ、かわりに「揺動」、砥石自体が高速で左右に揺れるように動いて研磨します。この際、砥石をある一定の圧力で回転する被削材に押し付けます。
この砥石がもっともよく使われる分野はベアリングで、これはベアリングの寿命や性能が「摩擦」に大きく影響されるためです。軸受けのレース面(軌道面:鋼球やころが入る場所)に通常の研削、研磨を行ったあと、最終的に仕上げ工程を経ると、摩擦による抵抗が減り駆動系にも影響します。ほかにもプリンターシャフトをはじめとした各種シャフト、ピン類にも使われます。分野が特殊なだけに超仕上げ砥石のメーカーの数は限られています。原理的にはホーニング砥石に似た部分もあり、両者をともに製造しているところが多いと言えます。
他の砥石と異なり、いったん機械に取り付けた後はドレッシング無しで使いきれることが前提となります。また切り屑などが砥石表面に付着し黒ずむ溶着と呼ばれる現象が起きると砥石は使えなくなるため、こうした研削・研磨に特化した技術力が求められる分野です。
- ノリタケカンパニーリミテッド
- 食器で有名なノリタケだが、工業用の研磨材、砥石でも知られる。研削砥石やダイヤモンドホイールのほか、超仕上げ砥石を製造販売。ラッパーくん、キーンストンといった超仕上げ砥石は溶着のない安定した研磨で定評がある。
- 是村
- 1940年設立以来一貫して超仕上げ砥石を製造する専門メーカー。東京都港区に本社を持ち、鎌倉に工場、台湾の新北市にも会社を持つ。小径精密研削砥石も製造販売しており、ベアリングメーカーやプリンターシャフトを製造する部門にとっては欠かすことのできない存在。砥石の高能率化、高寿命化と言った顧客の生産効率向上のための難度の高い要望にも応える。
- 京浜工業所
- 「ケイヒントイシ」「ケイヒンダイヤ」のブランドで知られる総合砥石メーカーであり、超仕上げ砥石もラインナップに持つ。一般に、超仕上げ砥石の場合、被削材が軸受鋼(SUJ材)になることが多いが、同社では硬質クロム、普通鋳鉄、ステンレス鋼用のものも手掛けている。
- 大和製砥所
- 奈良県にあるホーニング砥石、超仕上砥石を手掛ける専門砥石メーカー。精密加工に特化した砥石づくりをしており、寸法についても様々なものがある。
- ミズホ
- ベアリング業界とのつながりが強く、ホーニング砥石、研削砥石、セラミック砥石等も手掛ける。超仕上げ砥石の売上比率が高く、共同研究等の研究論文も複数発表されており、この分野のリーディングカンパニーとして知られる。
- 岐阜製砥
- 1968年に創業した砥石メーカーで、重金属を使わず、加工精度が高く、研削ムラがつくなく、環境面にも優れた砥石を開発していることで知られる。ベアリング用の超仕上げ砥石としては「ノーボンド砥石」というボンド(接着剤)を使わない珍しい構造を持ち、溶着の防止だけでなく、環境負荷も軽減できるという画期的な点が評価されている。残念ながら自社サイトは持っていない。
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