SWCH10Aの硬度、成分、比重、引張強度、機械的性質について|冷間圧造用炭素鋼
SWCH10Aは、冷間圧造用炭素鋼の一種で、炭素量を0.08から0.13の範囲にとる極軟鋼〜軟鋼に相当する鋼材です。アルミキルド鋼を由来としており、機械的強度については6Aや8RといったSWCH材と同じ規定を持ちます。硬度については冷間加工のみのもので85(HRB)以下となっており、同種の物の中では軟らかいタイプとなります。とはいえ、SWCH材はやわらかいものであっても、絞りには規定上の差がないため、同じSWCH材の中ではこのタイプが特に加工性がよいとは言い切れません。
SWCH10Aの成分、組成
なお、成分規定は材料となるSWRCH10Aのものになります。
鋼材の種類 | C(炭素) | Si(シリコン) | Mn(マンガン) | P(リン) | S(硫黄) | Al(アルミ) |
---|---|---|---|---|---|---|
SWRCH10A | 0.08〜0.13 | 0.10以下 | 0.30〜0.60 | 0.030以下 | 0.035以下 | 0.02以上 |
SWCH10Aの比重、密度
鉄鋼材料の比重は7.8前後となりますが、より細かい数字の概算を出すには、炭素量から算出することもできます。比重=7.876−0.030×炭素(%)の式を適用した場合、上限の0.13%で計算すると、7.872前後となります。
SWCH10Aの機械的性質|引張強度、硬度、絞り
冷間加工のみの場合
種類 | 径(ミリ) | 引張強さ N/mm2 |
絞り (%) |
【参考値】 硬さ(HRB) |
---|---|---|---|---|
SWCH10A | 3以下 | 540以上 | - | - |
3を超え4以下のもの | 440以上 | 45以上 | − | |
4を超え5以下のもの | 390以上 | 45以上 | − | |
5を超えるもの | 340以上 | 45以上 | 85以下 |
焼きなまし後に冷間加工した場合
種類 | 引張強さ N/mm2 |
絞り (%) |
【参考値】 硬さ(HRB) |
---|---|---|---|
SWCH10A | 290以上 | 55以上 | 80以下 |
SWCH材(冷間圧造用炭素鋼線)の材料記号の一覧
SWCH24KとSWCH27KからSWCH50Kまでは焼きなまし後の冷間加工についての規定のみとなります。その他の冷間圧造用炭素鋼については、冷間加工のみと、焼きなまし後冷間加工の2パターンについての機械的性質が規定されています。
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